仲里依紗が自由に着こなす着物の新スタイル。犬とマッチする着物や、推し活コーデや足元映えなど見どころ満載

文芸・カルチャー

PR 公開日:2023/12/1

KIMONOanne. vol.5
KIMONOanne. vol.5』(TAC出版編集部/TAC出版)

 着物を自由な形で着こなし、従来よりも気軽に楽しむ人が増えている。先日筆者も友人と遊びの待ち合わせをしていたところ、突然友人が着物で現れて驚いた。着物が改まったもの、かしこまったもの、というイメージは、過去のものになりつつあるのかもしれない。

KIMONOanne. vol.5』(TAC出版編集部/TAC出版)は、そんな常識にとらわれない自由な着物のスタイルを提唱している、毎年11月頃に刊行されている着物の専門誌。今号では、華やかさとクールさを併せ持つ仲里依紗さんが表紙と巻頭特集を飾っている。着物単体での着こなしはもちろん、デニム生地やチェック柄、洋服などと掛け合わせたり、個性的な小物を活用したりと、ページをめくるごとに着物が持つ従来のイメージを覆してくる。

「KIMONOで甘コーデ&辛コーデ」「犬と着物と私」「着物で、働きたい」「足元★大注目!」「キモノで推し活コーデ」「いざ、着物旅!」「さんかくstyle徹底解剖!」など、着用シーンをイメージしやすいテーマ別になっているのも本書の特徴。甘く可愛く決めたい人も、かっこよさを演出したい人も、着物を取り入れることでパッと目を引くワンランク上のオシャレを目指せそう。

advertisement

 犬好きさんは、犬柄をあしらった着物で「好き」を纏ってみるのもアリ。愛犬とのお散歩も、着物がセットなら一層楽しくなること間違いなしだ。

 また、着物の着こなしに欠かせない足元のアレンジについても紹介されているのがありがたい。昔ながらの「下駄」や「草履」も、驚くほどバリエーション豊か! リボンを巻くタイプの可愛い下駄は、筆者も思わずほしくなってしまった。

 ほかにも、スニーカーやサンダル、ブーツなどの洋靴との組み合わせ、色とりどりの足袋など小物との合わせ方のテクニックも紹介されている。ここでもただの「レトロ」では終わらない、斬新さも併せ持つ掛け合わせに目から鱗が落ちる。着物を着るってこんなに自由だったのか……!

「キモノで推し活コーデ」「いざ、着物旅!」では、より目的に沿った着物の選び方を深掘りしていく。推しを感じさせる色やアイテム、グッズを取り入れれば、自分だけの推し活コーデの出来上がり! どんなふうに合わせようかと考えている間にも、一層愛が深まりそう。

 日々を楽しむ着物のための旅を計画し、着物で街を回るのもまた一興。レトロな街並みやオシャレなカフェを巡るのも、着物と一緒ならより特別な思い出になることだろう。いつもなら素通りしてしまうお店も、実は宝の宝庫かも?

 後半では、SNS総フォロワー数30万人を誇るカジュアル着物の新伝道師「さんかく」さんが教える、カジュアルでラクに着られる「さんかく流着付け」、「さんかくコーデ」を構成するアイテムも紹介。ヘッドドレスやフェティッシュなアイテムも、さんかくさんにかかればスタイリッシュさを上げる着物アイテムに大変身! 何でもアリだからこその、無限大のセンスに脱帽。

 本書には、こうした着物コーデをより気軽に楽しむための着物レンタル情報も。レンタル着物を掛け合わせれば、より幅広いコーディネートが実現できる。さらに特別付録として、歌川国芳「猫飼好五十三疋」トートバッグがついてくる。スナップを留めればマチ付きバッグに、広げればレジャーシートになるこのバッグと一緒なら、着物でのお出かけも幅が広がりそうだ。これまであまり着物になじみがなかった人も、本書で少しずつ自由に取り入れてみると、新しい自分が見つかるかもしれない。

文=月乃雫