前髪を切り過ぎたら美眉追求のチャンス? メンタル強め美女白川さんに学ぶ、自分の機嫌をとってうまく生き抜く方法とは

マンガ

公開日:2023/12/20

メンタル強め美女白川さん4
メンタル強め美女白川さん4』(獅子/KADOKAWA)

 優越感は別に持たれても問題なし!

 そう言い切る「メンタル強め美女」の白川さん。2020年に単行本化され、ドラマ化も果たしたメンタル強め美女白川さん』(獅子/KADOKAWA)。単行本の累計発行部数は70万部を突破。2023年10月に5巻が発売になった。1巻の頃からブレない白川さんは、今も仲間を増やしながら、毎日を楽しく明るく過ごしている。

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自分軸がブレない白川さん

 白川さんは自己肯定感が高く、メンタルが強めで、美人で努力家。ぶりっこと言われても気にしない!そして他人の評価に惑わされない。4巻は「白川さんはなぜ悪口を言わずに生きていけるのか」から始まる。

メンタル強め美女白川さん4

メンタル強め美女白川さん4

 誰にでも笑顔で対応し、ぶりっ子と言われながらもピンクやフリルが好きな自分らしい自分を貫く白川さん。悪口を言わないことに対し「実は腹黒だろう」と言われても、「腹黒かあ……でも全身美白ケアを楽しんでいますっ」と言い切る白川さん。強い。

メンタル強め美女白川さん4

メンタル強め美女白川さん4

 白川さんは無理して良い人でいようとしているわけではなく、自分なりの対処法を持っている。それは…
・考えない
・発想の転換
を行うこと。「自分で自分を生きやすくする」と決めている。人のことを悪く言うと、自分がしんどくなるから言わないのである。

いつもご機嫌でいるように務める白川さん

 私が白川さんに対して素晴らしいと思うのは、自分で自分の機嫌をとれることだ。白川さんだって落ち込む日もある、失敗する日もある、イライラする日もある。

メンタル強め美女白川さん4

メンタル強め美女白川さん4

 前髪を切られすぎて落ち込む白川さん。美容師さんとのコミュニケーションの齟齬の結果であり、人によっては美容師の腕を批判する方向に行くかもしれない。白川さんは、SNSに愚痴を書き込んだり、友人をはけ口にしたりしない。白川さんは完全にオン眉になってしまっても、「美眉を追求するチャンス!」と前向きな姿勢を見せる。

メンタル強め美女白川さん4

メンタル強め美女白川さん4

 自分で自分の機嫌をとり、いつもご機嫌でいる。人に当たり散らしたり、人に機嫌をとってもらいたがったりしない。常に人に笑顔でいる態度をときに「ぶりっ子」と批判されているわけだが、社会人として、人としてとても大切な能力である。

 いつも上機嫌でいるのは、実はとても難しい。白川さんが支持される理由のひとつに、私たちはそのことを嫌というほど知っているからではないだろうか。

星羅ちゃんと白川さんと女同士

メンタル強め美女白川さん4

 4巻後半では白川さんと、会社に入社してきた可愛いけれども愛想のない女子・星羅の話が登場する。その華やかさが噂になるほどで、大学のときはミスコンの準グランプリになったという星羅だが、白川さんたちにはどうにもキャラクターがつかめない。そんな彼女の本音は「専業主婦になりたい」。

 白川さんにもそっけない、内面は関西弁バリバリの星羅は幸せをつかめるのか……。会社で反感を買いそうな星羅の態度から、白川さんは本音を解きほぐす。一度星羅からきつく当たられているのだが、けろりとしたままの白川さんはいつもの通りメンタルが強い。

メンタル強め美女白川さん4

「星羅ちゃんと白川さん part7」では、この人なら……と思っていた星羅が騙されていたことを知り、白川さんたちと遭遇する。白川さんたちは後輩である星羅から良い態度をとられてきたとは到底言えないのに、放っておかず、誠実に向き合う。

 ラストの女子会のシーンがとても素敵だった。女子の妬みや疲労、ネガティブな面を描く漫画であり、同時に女の友情の楽しさ、女の楽しさも存分に描かれているのが作品の大きな魅力である。

白川さんにはなれなくても

 常に上機嫌でいよう、白川さんのようにいたい! そう思っていても、なかなか難しい。しかし、それで良いのだ。白川さんは白川さんで、私たちは今も昔も、それなりに私たちとして生きてきたのだから。

 明日の仕事、これからのこと、ついつい後ろ向きになる夜もある。誰かに当たり散らすより、SNSでスキャンダルを見まくるより、湯船につかったりパックしたり、自分の機嫌をとって眠ろうではないかメンタル弱めの私たちにもきっとできる、白川さんの教えである。

文=宇野なおみ