気分が上がるお洒落ごはんが、料理下手でもラクに作れた! 料理家・長谷川あかりさんの魅力が詰まった材料2つでできるレシピ【作ってみた】
公開日:2023/12/13
10代の頃に「天才てれびくん」(NHK)のてれび戦士として活躍し、現在は料理家として人気を集める長谷川あかりさん。2022年からSNSを中心に料理を公開すると、たちまちバズレシピが続出。「新しくて、美味しい」と絶賛され、今や料理だけではなく、彼女自身のファッションやライフスタイルにも注目が集まっています。
そこで本稿では、その長谷川さんの新刊『材料2つとすこしの調味料で一生モノのシンプルレシピ』(飛鳥新社)より、2品をピックアップして作ってみました。お洒落で美味しそうなレシピばかりですが、料理下手な筆者でも作れるのでしょうか…!?
コトコト煮るだけで深い味わいが出る「スペアリブとごぼうのジンジャースープ煮」
本書のテーマは「野菜1つ+たんぱく質食材1つ」の2素材レシピ。1品目は「スペアリブとごぼうのジンジャースープ煮」をチョイスしました。寒い日に、体の中からポカポカと温まりたい!という思いから選んだ一皿です。
このレシピの2素材は「スペアリブ×ごぼう」。どちらかというと洋食の印象が強いスペアリブに、和食によく使われるごぼうを組み合わせるのは、ちょっと意外でした。
スペアリブには、塩と砂糖をすりつけて下味をつけました。「肉や魚は調理前に塩で下味をつけると、少ない調味料でも味がぼやけない」のだとか。この一手間が、美味しさにつながるとは…。肉や魚に下味をつけるという基本を知らなかったので、目からウロコでした。これからも料理作りの基礎知識として役立ちそうです。
次に、下味をつけたスペアリブをオリーブ油で焼きます。ジューッという音とともに、フワリと漂う香ばしい香り…! 肉の両面に焼き色がついたら、ささがきしたごぼう、しょうがの千切り、水を入れて約15分煮込みます。味付けは「料理酒+しょうゆ」とシンプル。水をスペアリブが浸るくらいたっぷりと入れたので、スープを飲むのが楽しみです。
しょうがの香りがたまらない一皿が完成しました! スペアリブはホクホクで旨みたっぷり。シンプルな味付けなのに、肉の香ばしさや、ほんのりした甘さなど、力強く深みのある味に驚きます。あっつあつのジンジャースープが体にしみわたる…。スープを飲むから満腹感があり、ごぼうが丸ごと1本入っているのでお野菜もしっかり。食べた後はしばらく体がポカポカでした。
各ページの下には「スタミナ」「リカバリー」「ダイエット」「美肌」と4種類のアイコンが記されていますが、こちらのメニューは低カロリーレシピを示す「ダイエット」でした。ごぼうとしょうがが腸内環境を整え、血流と代謝をアップさせてくれるそう。満腹になりたいけどカロリーを抑えたい時や、温かい食べ物で冷え防止をしたい時などにおすすめです。
「余ったスープに中華麺を入れてもおいしい」という紹介文を見たら、食べたくなってしまいました。こちらも間違いない美味しさ…! 寒い日に、締めの麺まで食べる鍋感覚で作るのも良さそうな一皿でした。
「さばとブロッコリーの湯煮ヨーグルトソース」は、初めて経験する青魚のお洒落な食べ方
次に挑戦したのは「さばとブロッコリーの湯煮ヨーグルトソース」。さばのような青魚って、体にいいのはわかっていても、塩焼きか煮物くらいしか思い浮かばず、ついつい遠のいてしまいます。でもこのレシピは、青魚の料理にありがちな塩味でも醤油味でもなく、ヨーグルトソース味。わが家の新定番になるかもしれない! という期待を抱きながら挑戦しました。「色から料理を考える」こともある長谷川さんらしい、青・白・緑・黄色のカラーリングが素敵です。
2素材は「さば×ブロッコリー」です。ちなみに「魚介×野菜」のおかずだけでも13品あるので、旬の魚介を使ってレシピを選ぶのもいいですね。巻末には「素材別インデックス」があり、「冷蔵庫にある余ったヨーグルトを使ってしまいたい」という時にも、素材別のレシピを探せるので便利です。
さばは、塩をかけて5~10分置いてから、出てきた水気を拭き取りました。これで下味もばっちり。その後は沸騰したお湯で5~6分ゆでればOK。レシピ名に「湯煮」とあるとおり、本当にお湯で煮るだけです。臭み消しということで、お湯にはお酒を少したらします。
次に、さばにかけるヨーグルトソースを作ります。ソースというと難しそうに聞こえるかもしれませんが、水きりヨーグルト・オリーブ油・おろしにんにく・塩を混ぜ合わせるだけで簡単に出来ました。
水きりヨーグルトは、ざるにペーパータオルを敷き、プレーンヨーグルト1カップを入れて一晩置けば作れましたが、ギリシャヨーグルトがあれば、そのまま使えるようですよ。
お皿に盛り付けたさばにソースをかけたら、粗びき黒コショウ、オリーブ油をたらして、できあがり。自分で言うのもなんですが、華やかな仕上がりです。食べてみると、さばが信じられないほどさっぱりして、上品な味わい。ヨーグルトソースの酸味、生にんにくのピリピリ感、オリーブ油の爽やかさが加わり、お洒落かつ風味豊か。ヘルシーなので、自分の体をいたわっている気分にもなります。
お米よりもパンのほうが合いそうな味。今度はバケットを準備して、一緒に食べたい。できれば、スパークリングや白ワインも。ラクして作った分、ゆったりとした贅沢な時間を過ごすことができそうです。
お洒落で質のいいごはんが、こんなにもラクに作れる
2つの素材と少しの調味料で作った料理は、簡単なのに手の込んだメニューに見えるものばかりでした。どれも華やかで、おいしそうで、写真を見て「作りたい」と思い、レシピを見て「これなら作れそう」と感じました。材料も手間も少ないので、「よし、作ろう」と重い腰を上げることなく、気軽な気持ちで作ることができそうです。
だからこそ“一生モノ”のレシピ。ヘルシーで簡単で美味しい料理たちは、繰り返し作るうちに自分の得意料理となり、一生つきあっていけるような気がします。
下味はレシピどおりに基本調味料でしっかりつけ、そこに、ハーブなど香りのアクセントを加えるのが私流。調味料がシンプルだとこんなふうにアレンジもできて失敗が少なく、薄いかなと思ったときは味を足してリカバリーできるのも料理初心者には安心です。
どこにもない新しさや食材の組み合わせのおもしろさがあって、とびっきり美味しく、お洒落な料理。それでいて、作る人の心と体を考えた優しさがある…。今回作ってみて、長谷川さんの人柄を含めた料理の魅力が伝わってきた気がします。料理初心者さんも、料理が好きだけどラクして美味しく作りたい人も、試してみてくださいね。
文=吉田あき