社員として働くだけで本当にいいのか?自分らしい働き方の答えを見つける方法を記した『自分らしく働くための39のヒント』

ビジネス

公開日:2023/12/21

自分らしく働くための39のヒント
『自分らしく働くための39のヒント』(田中美和/KADOKAWA)

 昨今、働き方はかなり多様化してきている。副業OKの企業も増え、正社員として働きながらフリーランスでも働くという人や、フリーランスで何足ものわらじを履いている人なども増えている。
 となると、社員として働くだけでいいのか、会社を辞めてフリーランスでやっていけるのかなど、この先の働き方について一度は悩んだことのある人もいるだろう。この悩みを解決へと導くのが、「自分らしく働く」方法を見つけることだ。

 人材サービス会社の共同代表であり、国家資格のキャリアコンサルタントでもある田中美和さんの新著『自分らしく働くための39のヒント』(KADOKAWA)では、この自分らしく働くためのヒントが39個も掲載されている。どれも、私たちの身近にあることで、ハッとさせられることばかりだ。

 39のヒントの中から、特に印象に残ったヒントを2つご紹介しよう。

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 まず1つ目は「強みは誰もが自分の中にすでにもっている!」ということ。自分では強みなんてない、資格もないし、などと思いがちだけれど、今まで生きてきた経験すべてが経歴となるもので、たとえ介護や出産、パートナーの転勤などで離職期間があったとしても、それも経歴の一部だと書かれている。

 確かにそれぞれの人生があり、他人とは違う自分だけの人生(=経歴)は唯一無二だ。そこには、自分しか知らない経験が必ずあるはずで、それをどれだけちゃんと振り返れて、自分の手の中にあるものを正しく把握できるかが、自分らしく働くためのカギとなるそう。

 どう振り返ればいいのかよくわからないという人のために、Chapter3ではワークシートがあり、自分らしい才能を見つける方法が記されていて、至れり尽くせりだ。

 2つ目のヒントは「越境体験で停滞感を打破する」。今、自分が置かれている環境から一歩外に出てみるというものだ。同じ場所にいると、自分だけでなく、周囲も、日々行なっていることが当たり前になってくる。けれど、一歩外に出て違う環境に身を置くと、普段当たり前に行なっていることを褒められたり、貴重な戦力となったりすることがあるそうだ。

 仕事を変えるまでいかなくても、部署間をまたいでのプロジェクトに参加する、ボランティアに行ってみる、学びの場へ行く、副業をしてみるなど、少しだけ環境を考える方法はいくつもある。現状にモヤモヤしている、先行きに不安がある人には、参考になるだろう。

 本書には、12年間の専業主婦期間などを経て、50代で再び正社員になった方や経営者と契約社員、業務委託とパラレルワークで自分らしい働き方を実現している方などの実例も豊富だ。仕事に迷いがある人はぜひ読んでみてほしい。

文=長田和歌子

【著者プロフィール】
田中美和
株式会社Waris共同代表/一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会理事/国家資格キャリアコンサルタント。日経BPで編集記者として働く女性向けの情報誌「日経ウーマン」を担当。以来、Warisを起業し、女性が生き生きと働き続けるためのサポートに多角的に取り組んでいる。