3万人以上が実践した表情筋のトレーニング! 会話下手でも人見知りでもコミュニケーションが円滑に!?
公開日:2023/12/11
初対面の人と打ち解けられなくて困った……。
上手くプレゼンできたらなぁ……。
そんな悩みを抱えていたら、あなたは何をするだろう。私ならきっと「話し方」を学ぶ。世の中には話し方の本や講座が溢れているし、何より解決方法として分かりやすい。
しかし、その話し方はどれほどの時間を費やせば身につくだろう。1時間? 1カ月? 1年? そんなに時間はかけられない! としたら、この『伝わる顔の動かし方』(間々田佳子/光文社)がおすすめだ。
この本は、あなたのコミュニケーションスキルやプレゼンスキルが、すぐさま改善する「顔の動かし方」を教えてくれる一冊。本稿では、「表情研究家」である著者の間々田佳子氏が3万人を指導する中で気が付いたという、本書で紹介されている表情筋の大切さとトレーニング方法を紹介する。
必要なのは笑顔ではなく「TPO顔」
第一印象は9割が見た目と雰囲気。顔とはその人を表す看板である。前向きな言葉で挨拶しても、つまらなそう、不機嫌そうな表情であればその印象が勝ってしまうはずだ。ポジティブな本音も、ネガティブに受け止められてはもったいない。
ビジネス書では「常に笑顔を」と書いている場合もある。しかし、間々田氏はそれに疑問を感じているという。大切なのは、TPOに合わせた適切な表情。政治家は、支援者に朗らかな笑顔を向けたかと思えば、厳しい顔と口調で政策を訴える。こうした場面に合った表情の豊かさが目指すべきTPO顔だ。
自分の顔はそんなに器用に動かない、と思う人もいるだろう。しかし表情とは、顔にある約50もの筋肉によって作られるという。他の体の部位と同じく顔の筋肉も、鍛えれば自在に操れるようになるのだ。
トレーニングの前に知っておきたいこと
まず必要なのは、自分の顔を観察すること。「意外と口角が下がっている」「思ったより5歳は老けて見える」など、イメージと違うかもしれないが、それを知るのが大切。現状を踏まえて、どんな顔になりたいのかを改めてイメージしよう。
口角が下がったり、老けて見えたりするのは、日本語が関係しているという。実は日本語は口元だけで発音できる言語のため、あご周辺の筋肉は使うけれど、顔の上半分は放置状態。そのため、頬や目元の表情が乏しくなりやすい。
また、あごを使うことで、筋肉が下や横に引かれるので、頬や口角が下がってしまいやすいのだ。加齢による皮膚の伸びも加わって、全体的に下にたるんだ暗い表情になってしまう。
間々田氏が考案したトレーニングでは、上に引き上げる筋肉を鍛えていく。特に顔の上半分である目の周りや頬を使えるようにするのが目標。この辺りが使えると、顔の表現力が一気にアップするという。
実践してみよう 簡単トレーニング
本書では悩みに合わせたトレーニングを全部で8種類紹介している。その中から、やる気がなさそうに見られがちな人、なかなか信頼を得られないと悩む人にピッタリの「目力アップ」トレーニングを紹介しよう。
トレーニングはすべて丁寧に30秒かけて、心地よい疲れを感じるまで1~3セットを目安に行う。動きに慣れたらスピードアップ。30秒のうちにできる回数を増やしていこう。
「目で伝える力を強化する 目力アップトレーニング」
①両眉に沿って人差し指を置き、眉が上がらないように押さえる
②目をキュッとつぶり、鼻から息を吸う
③息を吐きながら、目をパッチリと大きく開く
目を開ける上眼瞼挙筋や、閉じるための眼輪筋の運動不足を解消し、鍛えるトレーニングだ。目の周りの筋肉が動くと、ぱっちり力強く開けられるだけでなく、柔らかく細めるなどの微調整もできるようになり、繊細な感情を伝えるのに役立つ。思い立ったらすぐにできるトレーニングなので、ぜひ取り入れてみてほしい。
本書で紹介するトレーニングはイラストの解説の他に、動画でも確認できるようになっている。いきなり自己流でやるよりも、一度お手本動画を見てみるのがおすすめだ。表情は意識を向けた瞬間に大きく変わる。変化させるのに時間がかかる話し方や性格の前に、まずは表情筋を鍛えてみよう!
文=冴島友貴