森永卓郎さんに聞いた!貧乏な人がお金持ちに「投資」で勝つ方法とは?/モリタクさんの「お金の話」もりだくさん!⑥
更新日:2024/10/7
Q.投資で貧乏人はお金持ちには勝てない、結局お金を持っている人がさらにお金を持つようになる仕組みに過ぎない、という話を聞きました。貧乏人が投資で何とか勝つ手段はないのでしょうか?(T、40代、会社員、男性)
庶民が投資で勝てないことは事実です。株式投資を含めて、投資はすべてギャンブルだからです。金持ちが必ず勝つことを示す有名なエピソードがあります。庶民と金持ちが、1対1の賭けで勝負をします。金持ちが、もし勝負に負けたら、2回戦で掛け金を2倍にして勝負をします。そこで負けたら、今度は掛け金を当初の4倍にして勝負をします。こうして掛け金を倍々に増やしていけば、金持ちが永久に負け続けることはないので、必ずいつか金持ちに勝ちがやってくるのです。庶民は、同じ戦略を取ることができません。途中で資金が底をついてしまうからです。
これはゲームだけの話ではありません。以前、株式投資で負けたことがないという富裕層にどうしたらそんなことができるのか聞いたことがあるのですが、彼は手持ち資金の数%しか株式投資をしていないというのです。そして、株価が下がったら、そこで買い増しをして、平均取得単価を下げているというのです。いままでの人生で株式投資が手持ち資金の1割を超えたことは一度もないとも、言っていました。もちろん、この戦略は庶民でも取れます。つまり、毎月数百円を限度に投資を続けるのです。ただし、このやり方で稼げるのは、年に数百円に過ぎません。つまり、庶民は絶対に金持ちに勝てないのです。
私は、そもそも投資でお金を増やそうという考え方自体が、間違っていると考えています。それは、競馬や宝くじの儲けで、生活が成り立っている人が、ほとんどいないことからも分かると思います。
庶民は、まじめに働いて、節約を重ね、元本保証の預貯金で、少しずつ自分のお金を増やしていくしかありません。ギャンブルは、あくまでも楽しみのために、生活に影響を与えない範囲内でやるものなのです。
<第7回に続く>