会話の第一声で何を言う? 「アイスブレイク」に使える話題/すぐに使える! おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術
公開日:2023/12/29
「コミュ力を鍛える」という言葉があるように、コミュニケーションに苦手意識がある人や、もっと上手く話せるようになりたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、芸人たちが使っている“ちょい足し”してコミュニケーションを円滑にするテクニックを、実際に使えるレベルにまで落とし込んだトーク&雑談術。人気コント集団ザ・ニュースペーパーに19年間在籍し、もともとアガリ症で人見知りだった著者の桑山元さんが、舞台に立つために編み出してきたり学んだりしたものに、アレンジを加えたテクニックをまとめました。
すぐに簡単にマネできる“ちょい足し”テクニックの「つかみ・ツッコミ・リアクション・アドリブ・まわす力(MC力) etc.」を、豊富なマンガイラストも使って紹介します。日常や職場の仕事から雑談までさまざまなシーンで活用できますよ!
※本作品は『すぐに使える! おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術 お笑い芸人・話し方講師の二刀流が教える56の絶対ウケる法則』(桑山元/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました
会話をする時の第一声ってどうしていますか?「今日も暑いですねぇ」と天気の話から始めていますか?それ、相手から飽きられていませんか?それとも「最近、どうですか?」と語りかけてますか?それ、相手を困らせてませんか?
会話の出だしって難しいですよね。この出だしのことをアイスブレイクといいます。場の緊張や空気を和らげるイメージを氷が解ける様子にたとえた言葉ですね。
アイスブレイクとして使える言葉として「木戸に立てかけし衣食住」というものがあります。「季節」「道楽(趣味)」「ニュース」「旅」「天気」「家族」「健康」「仕事」「衣服」「食事」「住まい」のそれぞれの頭文字をとったものです。
ビジネスパーソンがこの中で注目するのはニュースです。趣味の話はウケがいい反面、こちらが相手の趣味に興味がないと回数重ねるごとにだんだん会話が続かなくなります。
その点、ニュースは便利です。何といっても、こちらがネタを探したり、調べたりしなくても、新聞やテレビ、ネットなどで向こうから情報を提供してくれます。
現代は多様性の時代。テレビ自体を見ない人も増えていますが、ニュースを全く知らない人というのは本当に少ないのです。
人によってニュースを見る目的は様々だと思いますが、「ニュースを全く知らないと恥ずかしい」と感じている人も多いのではないでしょうか。
多くの人が何らかの形でニュースを見ているということは「共通の話題」になり得るということです。共通の話題があると、お互いの距離がぐっと縮まります。応援している野球チームが一緒とか、好きなアーティストが同じ人とはすぐ仲良くなれますよね。
アイスブレイクにニュースを選んだ人がたまに犯す間違いがあります。それは悲惨なニュースや死傷者が多数出たなど、人の命に関わるようなニュースを話題にしてしまうことです。私はそんなに無神経じゃないって思いました?
震災での死傷者数など、大規模だったことの裏付けとして、つい話題に出したことはありませんか。大雨被害での行方不明者の話は?コロナの感染者数や死者数は?
もちろん、これらの話題が出たら即アウトというわけではありません。相手と一緒に共感して会話が成立することもあるでしょう。しかし一方で、話題にした事件や事故に相手の家族や親戚などが巻き込まれている可能性だってゼロではありません。話題にした後で「すみません、そんなつもりじゃ…」といっても後の祭り。どうすることもできません。
さらにニュースを話題にすることに慣れてくると、より刺激的な話題にしないと、相手に響かないのではないかと不安になることがあります。その勘違いから、一線を超えた話題や発言に踏み込んでしまうケースもあります。
私もコントでニュースネタを担当していたので、日常会話でも、つい色々試し撃ちしてしまい、何度も失敗しました。そもそもアイスブレイクの目的は場の雰囲気を和ませること。そこであえて悲惨なニュースを話題に出すのはリスク以外の何物でもありません。
アイスブレイクの役割は次の会話への助走。氷を解かすのは暖かい陽の光であって、炎上では溶けません。……ほら、暗い話題の後に無理やり明るい方向に持っていこうとすると変な空気になるでしょ?
こういうことです。私が身をもってあえて証明したんですよ。ホントですよ!