この話、前にも聞いた…。怒らせずに「グルグルトーク」を止める方法/すぐに使える! おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術
公開日:2024/1/1
「コミュ力を鍛える」という言葉があるように、コミュニケーションに苦手意識がある人や、もっと上手く話せるようになりたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、芸人たちが使っている“ちょい足し”してコミュニケーションを円滑にするテクニックを、実際に使えるレベルにまで落とし込んだトーク&雑談術。人気コント集団ザ・ニュースペーパーに19年間在籍し、もともとアガリ症で人見知りだった著者の桑山元さんが、舞台に立つために編み出してきたり学んだりしたものに、アレンジを加えたテクニックをまとめました。
すぐに簡単にマネできる“ちょい足し”テクニックの「つかみ・ツッコミ・リアクション・アドリブ・まわす力(MC力) etc.」を、豊富なマンガイラストも使って紹介します。日常や職場の仕事から雑談までさまざまなシーンで活用できますよ!
※本作品は『すぐに使える! おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術 お笑い芸人・話し方講師の二刀流が教える56の絶対ウケる法則』(桑山元/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました
「その話、前に聞いた!」って言いたくなったことはありませんか? しかも、以前にその話を聞いたことがあるレベルではなくて、さっきからその話が何回も繰り返されてるよっていうパターン。いわゆる「グルグルトーク」です。
あのグルグルトークって何故起こるのでしょう? それは、話している人が気持ち良くなっているからです。気持ちいい要因は2つあります。
1つ目は「話の内容が自分のお気に入りの内容」だから。普段はむしろ不愛想で口数も少ないのに、特定の話題になるとやたら饒舌になり、熱のこもった語り口で前のめりに話してくる人っていませんか?
2つめの要因は、自分のペースで話している」ことです。自分が最も気持ちのいいリズムで話しているということです。そう、聞き手が心地よく感じるリズムではなく、話し手が自分にとって気持ちいいと感じるリズムで話しているのです。
会議で部長が気持ち良く話しているグルグルトークを止める時に、「では次の議題に移りたいと思うのですが、よろしいでしょうか?」「要点をかいつまんでおっしゃって頂けると助かります」などとぶった切る人がいます。これは確実にイラッとされます。気持ちのいいリズムで話している途中に話題を変えられるのは、せっかく聴いていたお気に入りの曲を急にブチっと切られるようなものです。
他にも、話の途中で「私も似たような経験がありますが…」「今、出た○○ということについてなんですが…」などと話をとってしまう人もいます。「私の話を遮るな」と怒る人、案外多いですよね。これもいってみれば、お気に入りのロックを聞いている途中で急に演歌に変えられるようなものです。
では、どうすればなるべく怒らせずにグルグルトークを止めることができるのでしょうか?先ほどの音楽の例で考えてみましょう。
相手が聴いている音楽にとても興味を示したう上で、
「2つ前の曲って何ていう曲? もう一度聴いてみたい」
と言われたら、どんな気持ちになるでしょう? 確かに、聴いている曲を中断されていることには違いないのですが、自分の好きな音楽に興味を示してくれているので悪い気はしなさそうですよね。
さらに、
「その前の曲もう一回聴かせて」
「一番最初の曲は?」
と、あちこちに飛んだらどうでしょう?自分のイメージしている曲順とは違うのでペースが狂います。しかし、せっかく興味を示してくれているので無下にもできません。