かわいいけれど、スケールは壮大!? 『おふろおじゃまします』【NEXTプラチナブック】

文芸・カルチャー

公開日:2023/12/21

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2023年11月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

おふろが大好きなたろちゃんとかばちゃんは、今日もみんなのおふろに入りにいくことにします。どんなおふろがあるのかな? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『おふろおじゃまします』。人気絵本作家たしろちさとさんが描く夢のおふろの数々、見てみたくなりますよね。

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

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かわいいけれど、スケールは壮大!? 『おふろおじゃまします』

おふろおじゃまします

作:たしろちさと

みどころ

大好きなおふろに入りながら、たろちゃんとかばちゃんはこんなことを言います。

「きょうも みんなの おふろに はいりにいこうか かばちゃん」
「そうだねえ たろちゃん」

早速ふたりはトロッコ列車に乗り込んで、がたんごとんと出発です。

「おふろ おじゃまします」

最初に着いたのは、うさぎちゃんのおふろ。ぷくぷく、もこもこ、あわのおふろ。次におじゃましたのは、ぶたちゃんのどろんこぶろ。がたんごとん、さらに進むと森の中。しかさんのおふろはほかほかサウナ。天井裏にはふくろうさんのおはなしおふろ。さらにさらに、たこさん、わにさん、ぞうさんのおふろまで。みんなのおふろ、楽しいねえ! トロッコ列車は岩山をのぼり、もうすぐ「やまのてっぺん駅」。そこで待っていたのは……!?

「がたん ごとん」

みんなのおふろに入りにいくのは、こんなトロッコ列車」に乗って。

ひとくちにおふろと言っても、色々あるんです。見てください、おじゃまする時のたろちゃんとかばちゃん。ワクワクしているのが全身から伝わってくるようです。

しかさんのおふろは湯気がもくもく、ほかほかのサウナ。天井裏にも壁の奥にもそれぞれのおふろ。小さいけれど、気持ちよさそう!

トロピカル……!?

人気絵本作家たしろちさとさんが最新作で手がけたのは、夢のつまったおふろの絵本。かわいいけれど、スケールは壮大です。なんてったって、最後は動物たちがみんな一緒に入れるんですからね。観音開きでバッシャーンと画面が大きく広がるシーンの爽快感といったら。

おふろ一つで、こんなにもたくさんの世界観をつくりだしてしまうたしろさんの絵は、それぞれのシーンの細かい部分までみどころがたくさん。窓の大きさや蛇口やシャワー、シャンプーやいただく飲み物まで色々。

気がつけば、心もからだもぽっかぽか。たろちゃんとかばちゃんじゃなくたって、おふろが大好きになっちゃいますよね。最後はやっぱり自分のうちのおふろ。またみんなで入ろうね。

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編集長のおすすめポイントは……

こんなおふろがあったら…

入るのを嫌がる子もいれば、いったん入ったら出るのを嫌がる子もいるのが「おふろ」。不思議だけれど、お湯の中に浸かった時の「ぷは~」という瞬間には大人の心も子どもの心も溶かしてしまう魔力がありますよね。さらにおふろに入りながら色々なことをしたがるのも、大人になるまで変わらぬ夢。こんなおふろがあったら、ずっと出たくなくなっちゃうに決まってます。だからこの絵本。お礼を言いたくなっちゃいますね!

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。