ゲーム実況者・おらふくんの初エッセイ。天真爛漫なイメージの裏に隠された、「恥ずかしがり屋で人見知り」な素顔とは?
公開日:2023/12/25
元プロゲーマーのゲーム実況者・おらふくんによる初エッセイ『本かもわからん』が、2023年11月29日(水)に発売された。
著者のおらふくんはYouTubeチャンネル登録者数130万を超えるゲーム実況グループ「ドズル社」のメンバーで、おらふくん個人のチャンネル登録者数も60万人超という人気ストリーマー。さわやかで天真爛漫なキャラクターと語り口がリスナーの心を掴んでいる。
しかし、さわやかで天真爛漫というパブリックイメージとは裏腹に、本来の性格は恥ずかしがり屋の人見知り。今回発売された『本かもわからん』には、そんな著者の素顔が垣間見えるエピソードが詰め込まれている。
例えば、幼稚園の発表会では恥ずかしさのあまり先生の後ろにサッと隠れて号泣し、小学校の国語の時間には朗読中に声が震えてしまう。そういう性格は大人になってゲーム配信者として活動を始めてからも変わらず、活動初期には1時間でたったの二言しか言えずにその日の配信を終えることもあったという。彼自身は本書の中で「僕の人見知りは直りません。昔と比べればマシに感じられる部分はあるけど、根底にあるものは子どもの頃から変わらないんだと思います」と語っている。
おらふくんの中にある変わらないものは、人見知りな性格だけではない。日々を楽しもうとする前向きな人間性も、本書を読んでいると確実に伝わってくる。ゲームにのめり込み、プロゲーマーの道を選び、配信者として活動を続けていく、という“人生の選択”の場面で、著者が何よりも大切にしていたのは「もっと楽しもう」という欲求だったように感じるのだ。もっとゲームがしたい、もっと上手くなりたい、もっと多くの人を楽しませたい――そんな熱い気持ちを忘れずにいるからこそ、現在の人気ストリーマーというポジションに辿り着けたのではないだろうか。
もう一つ、彼がずっと変わらずに大切にしているのは、他者との出会いと繋がりだ。学生時代に自分を励ましてくれた友人、今も活動をともにするドズル社メンバー、そして配信を通して自分を支えてくれている視聴者。そういった人々とのエピソードも、著者の優しい眼差しとともに本書に盛り込まれているが、その中にこんな一説がある。
「僕が楽しいと思うことをして、見てくれた人が前向きになれる。視聴者の前向きな姿を知って、僕もまた楽しいことをしようと思う」
視聴者との繋がりを楽しみ、その喜びを日々のモチベーションに変えていく。そんな前向きな著者の生き方は、やはりどこまでも“さわやか”だ。