ねこキャラ界の新星・うどんねこ! 閉店危機のうどん屋を救うために誕生したもっちりねこは、無事お店を救えるのか…!?
PR 公開日:2023/12/29
ハローキティからひこにゃんまで、ねこをベースにしたキャラクターには広い世代から愛されるものが多い気がします。そんなねこキャラ界に新たな風を巻き起こすのが、うどんねこ! うどん×ねこ、つまり食べもの×動物という愛されるしかない組み合わせに、白くてモチモチしたビジュアル。食いしん坊で、頑張り屋だけど少し抜けている。行動や表情も愛らしいキャラクターです。
そんなうどんねこが主役の物語が『うどんねこ』(スケラッコ/ポプラ社)。マンガ『大きい犬』で「このマンガがすごい! 2018」にノミネートされて以降、人気を集める漫画家・イラストレーターのスケラッコ氏、初の児童読み物です。12月初旬の発売後、即重版となった話題の一冊でもある本書。小さい子から大人まで、広い世代が楽しめるその魅力を紹介します。
とある町で、「かなぼううどん」といううどん屋さんを開いているボタンくん。彼の悩みは上手く笑えず、いつも怖い顔をしてしまうこと。
せっかくお店に入ってきてくれたお客さんも逃げ出してしまい、「かなぼううどん」は閉店の危機です。仕方がないので自分が食べるうどんをこねていると、生地からしっぽが! さらには耳も生えてきて、なんとねこになったではありませんか。
「名前をつけてくれませんか」というそのねこに、ボタンくんは「うどんねこ」と名付けます。お店を繁盛させようと頑張るうどんねこ。まちに宣伝に行ったり、お客さんが来たらお手伝いをしたりと張り切りますが……。
予想のできない展開と、ちょっとドジなうどんねこに我が家の子どもたちは大盛り上がり。「ええーー!」と驚いたり、「ちょっとー!」とツッコんだり。物語の世界に最後までしっかり引き込まれていました。
実際に我が家では読み聞かせをしてみた本書。子どもたちは小学1年生と5歳の男子ふたりです。特に兄は読書好きなので、読み聞かせ後も自分で本を取り出して、ひとりじっくり読む様子も。漢字全てにふりがなが振られ、かつ文字量も絵が7、文字が3くらいの割合なので、ひらがなが読めれば大丈夫。絵本をひとりで読めるお子さんの、児童書デビューの一冊にもなりそうです。
また本書は児童書では珍しい全編フルカラー。くるくる変わる表情と愛嬌のあるうどんねこがかわいらしいのはもちろん、見開きを1コマのように使うなど漫画家である著者らしい表現方法も魅力です。
弟はそこまで本好きではないのですが、一度読み聞かせたあとも「読んで!」と持ってきて、毎度見開きのところで大笑いしていました。間違い探しや、「ねずみの仲間10匹を見つける」などの仕掛けが随所にちりばめられているのも彼のお気に入りポイント。その他の絵も細かいところまで遊び心満載なので、まだ文字が読めない弟も時々本書を取り出しては眺めています。
物語の後半は、ボタンくんのとある秘密が判明し、うどんねこたちは冒険の旅へ。「そばねこ」という海老天を首に巻いたそば生まれのねこ、ぎょうざから生まれた「ぎょうざねこ」などかわいいキャラクターも続々登場し、フィナーレへと向かいます。
果たして「かなぼううどん」は閉店の危機を脱することができるのか? 結末はぜひ親子で読んで確かめてみてください。読んだ後はうどんが食べたくなること間違いなしなので、うどんの用意をしてから読むことをお勧めします!
文=原智香