「○○しなきゃ」を「○○したい!」に! 思い立ったらすぐできるインド伝統の成功法則で成長のチャンスを掴もう

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公開日:2024/1/16

「運がいい人」になるための小さな習慣 世界の成功者が実践するたった1分のルール
「運がいい人」になるための小さな習慣 世界の成功者が実践するたった1分のルール』(サチン・チョードリー/アスコム)

 新しい手帳やノートを開いたとき、「ちゃんと書くぞ」と意識するように、年末年始や誕生日などの大きな節目は自分の人生を変えるチャンス。しかし多くの場合、その熱量は長く続かず、三日坊主で終わってしまう。そうならないためには「習慣化」が必要になってくるが、簡単にできたら苦労はしない。途中で燃え尽きることなく習慣化を成功させ、人生を好転させるには、いったいどうしたらいいのか……。

「運がいい人」になるための小さな習慣 世界の成功者が実践するたった1分のルール』(サチン・チョードリー/アスコム)は、1分程度でできる、運を良くする習慣を40項目紹介。続けるのが難しい大変なことを無理矢理ねじこむのではなく、今すぐ実践できる「小さな一歩」で習慣や考え方を変えていこう、というのが本書の方針だ。

インドに伝わる成功法則「ジュガール」

 著者のサチン・チョードリー氏は、インドに伝わる成功法則「ジュガール」によって、幅広い事業で成功しているインド人。自身を救ったジュガールを日本に伝えるべく、さまざまな著書を出版している。本書もそのうちの一冊だ。

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 ジュガールを日本語に訳すことは難しいそうだが、あえて言うとすれば、「少ない力で多くの利益を得る」「自分の枠を越えた発想で考え、行動する」「やわらか頭で考えてピンチをチャンスにする」「シンプルに考える」「決してあきらめない」「自分を抑えつけない」「セルフエフィカシー(自己効力感)を大事に育てる」の7つに集約される考え方なのだという。そしてその7つからサチン氏が導き出したのが、この本に掲載されている「たった1分のルール」40項目というわけだ。

「○○しなきゃ」を「○○したい!」に変え、ネガティブは断捨離

 例えば、「『○○しなきゃ』を『○○したい!』に置き換える」というルール。著者いわく、成功者たちはみな「誰もが仕事を心から楽しみ、面白がっている」そう。気が進まないことでも、ひとまず「○○したい!」と言い換えてみると、それを遂行することで「成功体験」が手に入る。どうせやらなければならないなら、「早く資料を作りたい!」など、プラスに考えて成功体験の糧にしてしまえばいい。こうして小さな成功体験を積み重ねることで、それがキャリアの糧となり成長できる。自己肯定感も高まり、いいこと尽くしというわけだ。

 そしてもう一つ、「ネガティブを断捨離」するのも大事なことらしい。芸能人のゴシップ情報やSNSの友達リスト、不平不満ばかりな人との付き合い、そのほか日常に埋没しているネガティブ要素を探し出し、積極的に排除する。こうすることで、自分にとって本当に大切なものが見え、自ずとポジティブなものに囲まれて過ごすことができる。日常をハッピー要素で満たせば、「可能思考」に切り替わって運を呼び寄せられるようになるそうだ。ちなみに可能思考とは、どんな状況でも必ず「どうすればできるのか」を考え、物事を動かしていく力のことをいう。

居心地の良い環境から、新しい環境に飛び込む

 可能思考を身につけて運を良くするには、ときには居心地の良い「コンフォートゾーン」を飛び出すことも必要だとされている。安全で快適な環境は気楽だが、入り浸っていると安心感から「停滞」し、成長から遠のいてしまうのだ。コンフォートゾーンの一歩外側にある「ラーニングゾーン」へ身を置くことで、試行錯誤や開拓の必要性が生まれ、成長のチャンスを得ることができる。

 しかしこれも、特別な大それたことをする必要はない。「気になるイベントを見つけたら迷わず参加ボタンを押す」「『いつものメンツ』との飲み会や集まりを減らす」「初めての人と飲みに行く約束をする」「『定例の○○』を疑ってみる」など、「これでいい」と思考を停止させるのではなく、まずは身近なところから、「本当にこれでいいのか」と疑問を持って変えてみようということだ。

 ひとつひとつは小さなことでも、これらのルールを積み重ねていくことで、1年後、5年後、10年後には大きな変化が得られる。思い返してみれば、筆者もいつも、普段と違う道を進んだ先で大きな変化が起きている。だが、気を抜くと「停滞」「現状維持」を選んでしまいがちだ。反省……。

 何となく過ごしていたら、時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。失敗やリスクに対する覚悟は必要だが、恐れ過ぎず、一歩踏み出してみることも大事なのではなかろうか。まずは1分、本書からできそうなことを見つけて実践してみてはいかがだろうか?

文=月乃雫