アート写真家・田中達也の写真絵本『おすしが ふくを かいにきた』の発想と世界観がおもしろい!「みたて」の世界に「遊び心満載」「宝探しのような絵本」
公開日:2024/1/30
SNSのトータルフォロワー数380万人超えのミニチュア写真家&見立て作家・田中達也。彼が手がけた写真絵本『おすしが ふくを かいにきた』をご存知だろうか。発売からすでに1年以上が経過しているが、今なおSNS上には同作に魅了される読者の声が後を絶たない。
著者の田中は、ミニチュアの視点で日常にあるものを“別の何か”に見立てるアート写真家。あるときは上下反対にしたカリフラワーをウェディングドレスに見立てたり、またあるときはドーナツでMRIの検査風景を表現したりと、独創的な発想が話題に。新作をSNSに投稿するたびに、ファンをミニチュアの世界へと導いてきた。
さらに彼の活躍はSNSだけにとどまらず、2017年に放送されたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』ではOPのタイトルバックを担当。2020年ドバイ国際博覧会では日本館展示クリエイターとして参画するなど、さまざまな分野でその才能を発揮してきたのだ。
そんな田中による『おすしが ふくを かいにきた』は、本物そっくりの「見立て写真」を使用したキャラクター絵本。マグロのおすしが見立ての街で、寿司ネタに見立てた新しい服(ネタ)をお買い物。
ミニチュアハンガーにぶら下がっているのは、サーモンやアジ、タコ、タマゴなどの色とりどりの洋服たち。壁にはネギやイクラのネックレスが飾られており、マグロのおすしと店員のあいだには「サーモンにします?」「おもいきってトロにしようかな?」といった会話も繰り広げられていて実に興味深い。
おすしのほかにも、ページごとに「アイスが帽子を買いにきた」「シュウマイがサウナにやってきた」などテーマを変え、ミニチュアタウンでの愉快なショッピングを写真で表現。シュウマイが入るサウナにセイロが使われてたり、タオルがシュウマイの皮だったりと、視覚で楽しめる工夫が散りばめられている。
同作は「第11回静岡書店大賞 児童書 新作部門」で1位、「第16回MOE絵本屋さん大賞2023」で4位、「第4回TSUTAYAえほん大賞」では2位に輝くなど、さまざまな賞を獲得。読者のあいだでも「遊び心が満載で、大人も感心させられる」「作者の発想に感動するし、何度見ても楽しめる絵本だと思う」「何を何に見立てているのかを探すのが楽しい、まるで宝探しのような絵本」などと大好評のようだ。
ちなみに2024年2月2日(金)には、シリーズ第2弾『おすしが あるひ たびにでた』が発売される。今作ではマグロのおすしが故郷のおすシティを目指して、レタスやまや、ホールケーキとトイレットペーパーでできた雪山などを大冒険していくという。
子どもはもちろん、大人も一緒になって楽しめる『おすしが ふくを かいにきた』。気になる人は、ぜひ一度手にとってみてはいかが?