【問題:「勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った」2つの意味を見つけよ】意味が変わる新体験に、大人も子供も「ワクワク」「なるほど~」が止まらない!!
PR 公開日:2024/2/2
「二義文」という言葉を聞いたことがありますか? 一文で2つの意味をもつ文章のことです。たとえば、「たこ じょうずに あげたよ」という文には「上手に凧あげできたよ」という意味と「蛸を油で上手に揚げたよ」いう2つの意味があります。本記事タイトルの「勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った」にも、2つの意味が隠されているのですが、気づくことができたでしょうか。
『2つの意味の物語』(ささきかつお/新星出版社)は、そんな二義文の面白さを体験できる新感覚物語です。児童書と侮ることなかれ! 物語として楽しみながら、頭の体操や日本語のトレーニングにもなる一冊です。
本書には、冒頭で紹介したような2つの意味に取れる文章が多数掲載されています。さらに、その後にはそれぞれの文章に沿った全く違う2つの展開を用意。物語の続きを想像しながら、まさにパラレルストーリーを飽きることなく楽しめます。
筆者は文章の読解力には多少自信がありましたが、冒頭の文章ですでに私の頭の中は「?」でいっぱいに。「聖なる剣を手にした勇者」のイメージはすぐに思い浮かんだものの、剣を持った勇者の姿を打ち消して、もう一つの意味を頭の中で描くことができません。どこで区切るかによって意味が変わるのだろうという予想はつきましたが、これがなかなか難しい!! 結局、あとに続く2つの意味の“正解”となるお話を読んで、「聖なる剣を持って向かってくる魔物」がもう一つの物語だったと理解しました。
最初の見開きでその二義文が使われるストーリーがあり、次のページで2つの意味の答え合わせができるので、テンポよく読み進めることができます。筆者の小学5年生の長女は読書嫌いなのですが「クイズみたいでおもしろい。一つの文章で全然違う意味になるのがすごい。」と言って、何度も読み返して楽しんでいたのには驚きました。
なかでも秀逸だと思ったのは、「大人には見えないよね」という文章。拍子抜けするお話にもゾッとするお話にもなり、どちらが続いてもおかしくないシチュエーションで短編の物語としても面白いと感じました。
また、「好きなアニソンを聞いてる」という文章には苦戦しました。はじめの見開きを読んでも全く2つの意味を思い浮かべることができません。「好きなアニソンを聞いて楽しんでいる」という意味の他にどういう意味があるのだろうと考えていると長女が横から口をはさみ、「それはね…」と説明を始めます。「アニソン、何が好き? って聞いているということだよ」と聞き、やっと納得!! 長女にとって言葉のトレーニングになっているとも感じました。
物語としても、クイズ感覚で楽しむこともでき、想像力や言葉のトレーニングにもなる一冊です。はやくも第2弾の発売が決定し、読者が考えたオリジナルの二義文を募集中! この本を読んで、ぜひ二義文作りに挑戦してみては!?
文=鈴木美穂
◆オリジナルの“二義文”を募集中! 応募はこちらから