LINEや筆記用具を駆使して魔王城に囚われた姫を救い出せ! 初心者から王道RPG好きまで楽しめる謎解き脱出ゲーム
公開日:2024/2/9
同じような毎日を繰り返していると、たまにふと非日常な世界へ紛れ込みたくなる。いつでも旅をしたり新しいことを始めたりできればいいが、時間やお財布の都合でなかなかそうもいかないのが現実だ。そんなとき、リアル脱出ゲームや謎解きイベントはとてもいい気晴らしになる。だが、未経験の人には、会場へ出向くのはハードルが高いかもしれない。
『ボウケンクエスト』(KADOKAWA)は、そうした初心者からコアな謎解きファンまで、いつでも楽しめる謎解き脱出ゲームキット。宝探しや謎解き、脱出ゲームなどを中心としたイベントを全国各地で開催している会社・BOUKEN WORKS(ボウケンワークス)が手掛けており、懐かしのテレビゲームをテーマにしたレトロで可愛いパッケージが目印となっている。内容に関しても、デザインに合った、こうしたジャンルならではの演出が多々仕込まれており、レトロゲーム好きならワクワクせずにはいられない。
本作は、このキットとLINEアプリ、筆記用具の3点を使用して進めていく。パッケージ裏に書かれた情報によると、難易度は星5つ中3.5程度、プレイ時間は2時間から、対象年齢は12歳からと、それなりの難易度がありつつ小学校高学年くらいから楽しめるライン。これなら、ある程度の難易度はほしいが絶望と挫折はしたくない筆者でも楽しめそう……というわけで、実際にプレイしてみた。
物語は、ボウケン王国の新米勇者エリオットが魔王城へ向かい、魔王を倒して囚われの姫を助けるというもの。仲間たちとともに魔王城へ向かう王道RPG的展開になっており、ボウケン王国の世界が視覚的に把握できる分かりやすいマップもついている。王様から姫救出の命令を受け、遊び方や内容物の確認を済ませたら冒険スタート。ちなみに、この始まり方にもある一工夫がなされているのが楽しい。
ここからは、LINEアプリ、キット内のボウケンの書4枚、マップ、筆記用具を駆使して姫の救出に挑む。ネタバレになるため詳細は明かせないが、ただ謎を解くだけでなく、書き込んだり折ったりと物理的な作業が発生するのも魅力。また、いたるところに仕掛けが施されており、次々と新しい発見が生まれるのもこうしたゲームならでは! 脱出ゲーム好きの「あっ!? もう! こういうの好き!」というポイントをどこまでも突いてくる。さすがはボウケンワークスだ。
また、初心者で「謎の解き方が分からない」「全然進めない」という人には、何段階にも分けたヒントがしっかりと用意されている。かく言う筆者も、何度かヒントに助けられて、5~6時間ほどかけてクリアした。ちなみにゲームオーバーになってもそこからやり直せるので、そこは安心してほしい。ヒントを使いながらサクッとプレイするもよし、とことん考え抜くもよし、個人個人でやりたいように進められるのもこうしたキットならでは。
プレイした感想としては、本当に絶妙な難易度でちょうどよかった。時間制限がつくタイプの謎解きはなく、いつでも中断できるのもうれしい。続編や次作があるとするならぜひともほしい……! 筆者は1人でプレイしたが、友人や家族と一緒に楽しむのもアリ。日々に刺激がほしい人は、日常のちょっとしたスパイスに、気分転換に、姫救出の旅に出向いてみては?
文=月乃雫