ダイエット中でも罪悪感なしの生クリーム! 低脂肪なのに、ちゃんと美味しい「牛乳ふわふわホイップ」で作るスイーツレシピ集

暮らし

公開日:2024/2/22

牛乳さえあれば ふわふわホイップもクリームチーズも。
牛乳さえあれば ふわふわホイップもクリームチーズも。かんたんおいしいスイーツ55』(小松友子/イカロス出版)

 「生クリーム食べたい」という気持ちは突然やってきます。ところが、生クリームが冷蔵庫に入っていることはほとんどありません…。「休日の朝、パンケーキにホイップをたっぷりとかけて食べる」なんていう夢はあきらめていましたが、牛乳を使ってホイップができるとしたら、どうでしょうか。

 YouTubeでも話題になったBonちゃん先生の『牛乳さえあれば ふわふわホイップもクリームチーズも。かんたんおいしいスイーツ55』(イカロス出版)は、そんな夢を叶えてくれるレシピ本。牛乳があれば作れて、おまけに生クリームより低脂肪なホイップなんて、控えめに言っても最高。ふわふわクリーム好きなら試さない手はありません…!

まずは基本の「牛乳ふわふわホイップクリーム」

 本書にはホイップそのものを味わうレシピから、ホイップを使って作るケーキやプリンまで、さまざまなレシピが載っています。その基本となるのが「牛乳ふわふわホイップクリーム」です。

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(写真1)

 サラサラの牛乳がどうして生クリームのようなトロトロになるのでしょうか。その秘密は材料にありました。ホイップの材料は、牛乳250ml、粉ゼラチン5g(水 大さじ1)、砂糖20g、バニラエッセンス数滴。そう、「粉ゼラチン」によってホイップにとろみが出るようです。レシピは、最初にゼラチンを溶かすために鍋で熱しますが、ゼラチンが溶けたら、氷水で冷やしながら混ぜるだけ。かかる時間は、ゼラチンをふやかすのに10分、全体をあわせて泡立てるのに10分といったところ。

(写真2)

 氷水で冷やしながらハンドミキサーで泡立てると、ふわっふわのホイップ状になり、かさが約2倍に増えます。ここまできたら泡立て器やゴムベラに持ち替え、好みのかたさになるまで混ぜます。ふわふわのホイップを作るポイントは「温度」だとか。牛乳ホイップがかたまり始めるのは約15度で、この温度になったらとろみがつき始めます。なかなかとろみがつかない場合、牛乳の温度が高すぎるのかも。

 水道水の平均がだいたい15度らしいので、牛乳が「水くらいの温度」に下がっていたら泡立て始めるタイミングだといえそう。ひたすら泡立てる生クリームとは違い、ハンドミキサーによる「泡立て」と、冷やしながら混ぜて「かためる」のは別工程。それを最初に把握しておくと、うまくいきやすいと思います。ちなみに、粉ゼラチンは4~5年保存できるものが多いので、ひと箱保管しておけば、いつでも牛乳ホイップを作れそうですね!

 筆者はスイーツ初心者なので、失敗したな~と思ったのはボウルの素材です。ステンレス製やガラス製のボウルを使ったほうが素早く氷水の冷たさが伝わり、牛乳がかたまりやすくなるのだとか。

ハワイアン・パンケーキ キャラメルりんご添え

 さて、牛乳ホイップの作り方がわかったところで、「休日の朝にホイップたっぷりのパンケーキを…」という願いを叶えることにしました。参考にしたのは「ハワイアン・パンケーキ キャラメルりんご添え」のレシピです。

(写真3)

 パンケーキは薄力粉やベーキングパウダーを混ぜて作るレシピで、ホットケーキミックスとはまた違った素朴な味がおいしかったです。生地を10分ほど休ませるという一手間はありますが、作り方自体はとても簡単。今度からはホットケーキミックスではなくこのレシピで作ろう、と思いました。

(写真4)

 冬の時期においしくなるりんごを使った“キャラメルりんご”は、バターで両面に焦げ目がつくまで焼き、キャラメルにからめるだけ。キャラメルといっても、りんごを焼いたのと同じフライパンで、砂糖と水を火にかけるだけで簡単に仕上がります。今回はホイップがとけないように冷やして使いましたが、あつあつを食べてもおいしい! これだけでも冬のおいしいおやつになりそう。

(写真5)

 完成したのがこちら! ふわっふわのホイップが口の中でとろけます…。爽やかな味わいだけど、クリームのまったり感はしっかりとあって食べ応えもあり。パンケーキとキャラメルりんごにたっぷりとつけて食べれば、至福の時…。書きながら思い出すだけでもニマニマします。ホイップは食べる直前に作るとふわふわが持続しやすいので、パンケーキの準備をある程度済ませてからホイップを作るのがおすすめです。

(写真6)

 一度では食べきれない量のホイップができたので、グラスの中 にジャム、ホイップ、フルーツを順番に入れるだけの簡単スイーツ「ふんわりムース」も作ってみました。レシピにあった缶詰をフレッシュな果物に変えてみたら、より一層ヘルシーに。甘さ控えめの牛乳ホイップと甘いジャムのバランスがよく、爽やかなハーモニーを奏でるスイーツが完成!(わが家のあまり牛乳が好きではない小1男子もパクパクと食べました)

 レシピでは小さな容器を使っていましたが、ホイップをたっぷり食べたくて大きなグラスを使用。それでも使ったホイップは最初に作った量の1/3くらいなので、お砂糖の量は1杯につき7gほど。こんなに満足できるのに、カロリー低めだから罪悪感なし。ダイエット中のご褒美スイーツにもぴったりなのでは!?

食事を作る感覚で、毎日の食卓にホイップを

 牛乳ホイップクリームのレシピは、著者のBonちゃん先生が、シフォンケーキにかけるホイップが牛乳でできないか…と考えたところから生まれたとか。牛乳だから、食事を作る感覚で気軽に作れるのもメリットだといいます。生クリームを作る要領とはすこし違うので、最初は戸惑うかもしれませんが、コツさえ掴んでしまえば2回目以降はスムーズに作れそう。これから、ケーキのデコレーションにも使えるしっとりホイップや、チーズケーキなどの元になるクリームチーズのレシピにも挑戦するつもりです。

 手間がかかることをあえて挙げれば、ハンドミキサーを洗うことくらいですが、牛乳ホイップを心ゆくまで楽しめるしあわせを思えばまったく苦になりません。いつでも家でホイップが食べられるなんて…! 卵焼き、お味噌汁、牛乳ホイップ…という感じで、わが家の定番レシピに仲間入りしました。

文・料理・写真=吉田あき