シニア猫の口内の汚れには “後ろあしの肉球もみもみ“が効く。獣医師が教えるツボマッサージでシニア猫の気になる症状を整える
PR 公開日:2024/2/19
シニアになると、猫も運動量が減り、口臭が気になり始めるなどの変化が表れる。そうした老いを目の当たりにすると、猫飼いは「自宅でできるケアはないだろうか…」と歯がゆい気持ちになるものだ。
そんな時、役立つのがシニア猫にしてあげたいツボマッサージを学べる『シニアねこほぐし 猫を整えるやさしいマッサージ』(中桐由貴/産業編集センター)だ。
著者は東京都港区にある「アニマルケアサロンFLORA」の医院長。鍼灸師でもあり、過去には猫が心地よさを感じる部位別のマッサージを収録した『ねこほぐし』(産業編集センター)を発売している。
本書に掲載されているのは前作同様、猫のことを考えて考案された“猫のためのマッサージ”だ。今回はシニア猫にスポットを当て、シニア期に見られやすい気になる症状を挙げ、部位別に効果的なマッサージを紹介。
また、自宅で分かるシニアチェック法や気をつけるべき症状なども具体的に記されているので、愛猫の健康チェックに役立つ。
口まわりの汚れには「足のマッサージ」がおすすめ!
マッサージをする上で大切なのは、猫心を尊重すること。無理強いせず、初めは短時間を意識。慣れてきたら、徐々に時間や回数を増やしていこう。また、持病がある子の場合は必ず、獣医師に確認をしてからマッサージを行ってほしいと著者は話す。
シニア期、特に気になりやすいのが、お口のトラブル。筆者も最近、9歳になる愛猫の口まわりの汚れが気になり始めてきたところだ。著者いわく、口の中の炎症が強い場合、直接触ると嫌がることがあるので、足先のツボを刺激するのがよいそう。
やり方は、2ステップで簡単。まず、後ろあし の肉球とその甲側をモミモミ。その後は親指と人差し指で、前足の手首まわりをつまみ、手首一周を揉む。
マッサージは各ステップ5~12回ずつ行うのがよいそうで、歯周病の子にもおすすめとのこと。我が家で愛猫に行ってみると、思っていた以上に嫌がることなくさせてくれ、「ありがとう」のペロペロも。
肉球の感触が堪能できるこのマッサージは、飼い主にとっても癒し度バツグン。スキンシップを取りながら、人も猫も楽しいマッサージタイムを過ごしてほしい。
あまりジャンプをしなくなったシニア猫に効果的なマッサージとは?
シニアになると猫も筋力が落ち、関節の痛みなどが出やすくなる。若猫だった頃に比べて、あまりジャンプをしなくなったと感じることもあるはずだ。
そうした時に行いたいのが、後ろあし のマッサージ。5ステップでできるこのマッサージは腰から後ろあし の痛みを軽減させる効果が期待できるという。
・マッサージのやり方
step1:後ろあし の付け根を優しくクルクル
step2:太ももの表面を付け根から膝に向かってさする。
step3:太もも内側をさする。まずは前側(頭側)を付け根から斜め前にさすり、その後、真ん中あたりを付け根から下にさする
step4:太ももの後ろ側を付け根から膝裏へさすっていく
step5:指の腹で膝裏を優しく押すか、揉む
なお、step2で太ももの表面をさする時には、筋肉の張り感やコリなどに左右差がないかを確認。もし違いがある場合は、筋肉が硬いほうやコリが多いほうのマッサージ回数を増やすとよいそう。
このマッサージは猫が寝ていてもできるので、実践しやすかった。実際、愛猫にしてみたところ、最初は「なんだろう…」と戸惑った様子だったが、次第にリラックス。目を細めながら、まどろんでくれた。
著者は、各ステップ3~10回ずつのマッサージを推奨。愛猫がゆっくり動くようになってきたり、立ちづらそうな素振りを見せたりした時に役立ててほしい。
愛猫のことを一番よく知っている自分だからこそ、できるホームケアがある。そんな気づきをくれる本書に救われる猫飼いは、きっと多いことだろう。著者は、猫あるあるな泌尿器系のトラブルや毛ヅヤの維持などに効果的なマッサージ法も紹介しているので、ぜひ「うちの子」に適したホームケアを日常の中に取り入れてほしい。
文=古川諭香