憧れの先輩がまさかの「ぬいぐるみ」に!? 推し活で話題の「ぬい活」を、ぬいになった先輩と楽しむ新感覚ラブコメ『ぬいに恋していいですか?』

マンガ

PR 更新日:2024/5/31

ぬいに恋していいですか?
ぬいに恋していいですか?』(屋丸やす子/白泉社)

 昨今様々なジャンルで行われる「推し活」。その一種、推しをデフォルメ化したぬいぐるみを愛でる「ぬい活」をテーマにした『ぬいに恋していいですか?』(屋丸やす子/白泉社)が「LaLa」に登場した。

 主人公の小梨生実は、ぬいぐるみ作りが趣味の高校1年生。彼女は自分の恩人である生徒会長・綾人へ、助けてもらったお礼を伝えるべく自作の“ぬい”を渡す。まるで王子様のような振る舞いで、大勢の女生徒から日々様々な差し入れをもらう綾人。だがその差し入れを裏で「気持ち悪い」とすべて廃棄するところを、生実はたまたま目撃してしまう。

 自分が心を込めて作ったぬいも捨てられそうになり、思わず物陰から飛び出した生実。するとその瞬間突然あたりが光に包まれる。生実は驚いてそのぬいぐるみを家に連れて帰ってしまうが、なんとそのぬいぐるみが動き出して――!?

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 実は、ぬいに宿ったツクモ神の呪いで、綾人がぬいになってしまっていた!

 呪いを解く条件は、ぬいぐるみの作り手=ママである生実の望みを叶え、罪を償うこと。何をしてほしいか尋ねた綾人に、生実は戸惑いながらも正直にこう伝える。「ぬい活がしたい!」と──。

p19

p20

 裏の顔を持つ憧れの人が突然自作したぬいになってしまい、彼と共にぬい活を楽しむ、というハチャメチャでコミカルなストーリーの本作。一番の見どころはやはり、今も多くの人々が推し活の一種として楽しむ「ぬい活」の詳細な描写と、現実ではありえない「ぬい活」好きには夢のようなシチュエーションが描かれている点だろう。

 たとえば、「ぬい活」の醍醐味である着せ替え。例にもれず、生実も綾人ぬいの衣装をチェンジしている。時には幼稚園の制服を、時には「あやと様オンリーワン」とプリントされたTシャツを、時には王子様衣装を……。「推しに着せたいけど叶わない」、そんな思いをぬいが代理で叶えてくれる着せ替えだが、本作では人間に戻る際に服装はそのままだから夢のようだ。人間の姿で「あやと様オンリーワン」Tシャツを着る綾人すら可愛らしい。

p52

 また、本作では着せ替え以外にも、生実と綾人が「ぬい活」する様子が描かれている。私たちが「推し活」をする中での難関、クレーンゲームでは生実の「お金をかけたらかけただけ負けのゲームです」というセリフへの共感の気持ちが止まらない。「大抵の事は一発でできる」と豪語している綾人ですら、しっかり私たちと同じくクレーンゲームに苦しめられていて親近感が湧いてくる。

p93

 その他にも“ぬい撮り棒”(ぬいにつけて写真を撮りやすくするための棒)や、特徴を細かく描いた“ぬい靴”(同時掲載の読み切り作品に登場)など、「ぬい活」をする上でおなじみのアイテムが様々なところにちりばめられている。日頃「ぬい活」をする人はもちろん、これから始める人にとっても様々な発見や面白さが感じられる作品だ。

p66

 1巻後半では、綾人を“推し”としてしか見ていなかった生実が綾人への恋心を自覚する。推し×ぬい活×恋愛の新感覚すぎるラブコメから、色々な意味で目が離せなそうだ…。

文=
ネゴト

/
曽我美なつめ

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