ネズミや虫にかじられた!? 明治時代のお札はある食べ物が原料だった/億万長者も知らない!? お金のびっくり事典③

暮らし

公開日:2024/3/15

億万長者も知らない!? お金のびっくり事典

 1885(明治18)年に、「日本銀行券」として日本銀行から初めて発行された1円札、10円札、100円札の表には七福神の一人で商売や農業の神様「大黒天」が描かれていたので、「大黒札」とよばれた。また、1886(明治19)年発行の5円札は、裏に大黒天が描かれていたので、「裏大黒札」とよばれたんだ。

 これ以前のお札の紙は、あまりじょうぶなものではなく、すぐに破れてしまっていた。すぐ破れるようでは、たくさんの人の手にわたるお札としては使えない。

 そこで、お札の紙を研究していた人が試行錯誤して、コンニャクの粉を混ぜて紙をつくったところ、じょうぶな紙ができたんだって。そこで、国民みんなに使ってもらえる新たなお札として大黒札を発行したんだ。

億万長者も知らない!? お金のびっくり事典

 ところが、食用であるコンニャクを原料にしたことがわざわいして、お札がねずみや虫に食べられてしまう被害がたくさん起きてしまったんだ。大事なお金が、食べられたり穴だらけになったりしたら、こまっちゃうよね。

 また、この大黒札は、にせ札防止のために青いインクで印刷されていたんだけど、化学反応を起こしやすい原料(鉛白)がふくまれていたため、温泉地などでは硫黄の成分に反応して、黒く変色してしまったんだ。黒いお札なら印刷するのもかんたんなので、かえって、にせ札がつくりやすくなってしまったんだって。

 このままではお札として使い続けられないので、結局、数年後にはまた、新しいお札が発行されたんだって。

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