コンビニ商品をベースに作る、簡単タコライス。身近な食材を「ぶっこむだけ」「のっけるだけ」で作れるレシピが集まったレシピ本
公開日:2024/4/2
格闘技イベント・BreakingDown(ブレイキングダウン)の人気選手で、麻布の割烹料理店「割烹こめを」のオーナーシェフも務める、“闘う料理人”こめおさん。TikTokでの料理動画も人気で、SNSの累計フォロワー数が100万超(2023年12月時点)を誇るインフルエンサーとしても活躍中だ。
そんなこめおさんのレシピ本『こめおメシ ごはんに合いすぎるおかず&どんぶり』(徳間書店)が1月に刊行。身近な食材で作れて、「材料をぶっこむだけ」「乗っけるだけ」で作れるレシピも多い……との触れ込みに惹かれて、実際に書籍を購入。何品か作ってみたレシピを紹介しながら、本書の魅力をレビューしてみよう。
セブン-イレブンの製品をベースに作る簡単タコライス!
まず作り方が簡単で、なおかつブッチギリに美味しかったのが、「ハンバーグとカリカリコーンのタコライス」。こちらのレシピは、セブン-イレブンのスナック菓子「カリカリコーン チーズ」やレトルトのハンバーグ、カットレタスなどを使って、手軽に作れちゃうのが魅力だ。
調理の手順で、切らなければいけない食材はアボカドとトマトのみ。ハンバーグを鍋に入れ、トマトジュースなどと合わせて煮詰めるのだけがひと手間だが、変わった調味料や食材は不要で、料理初心者でも失敗せずに作れるレシピとなっている。作り終えると、見た目も非常に華やかな一皿に仕上がって驚いた。
そして、これが食べてもメチャうまい。セブンプレミアムのハンバーグを使い、なおかつトマトジュースと煮詰めるひと手間をかけたせいか、タコミート(お肉)の味わいが超リッチ。「カリカリコーン チーズ」のチーズ感もものすごーく濃厚だ。
スナックのカリカリ感、レタスのパリッと感、トマトのフレッシュな瑞々しさが合わさった食感も楽しく、レトルトを組み合わせたレシピとは思えない、お店のような「決まった味」に仕上がっているのだ。カロリーはそこそこ危険なレベルだが、パーティーなどで用意したら大喜びされそうな料理だ。
オムライスより断然簡単で、なおかつウマい「ズボライス」
オムライス風の「ズボライス」もアイデアに唸ったレシピだ。オムライスはみんなが大好きな料理だが、「オムレツをキレイに焼く」「ケチャップライスを炒めて作る」というのがメンドイのが難点。このレシピは「卵はスクランブルエッグにするだけ」「ご飯はツナ缶とバターを混ぜるだけ」という大胆な省略を行い、見た目や味付けの工夫でオムライス風に仕上げる“ズボラなオムライス”なのだ。
実際に作って食べてみたが、すべての食材が口の中で交わると……あら不思議、本当にお店のオムライスみたいな味になっているのだ! ポイントは、スクランブルエッグにもご飯にもバターを加えていること。その優しいコクと甘さが「お店のオムライス」みたいな雰囲気を醸し出してくれるのだ。
そしてオムレツを作るのを諦めて、菜箸でガガ―っとかき混ぜスクランブルエッグにすることで、逆に「お店のオムレツのふわふわトロトロの食感」を簡単に作れてしまうのは大発見。普通のオムライスを作る時間がないときは大活躍しそうなレシピだ!
ネバたく丼
もう一つ、簡単かつ非常に美味だったのが「ネバたく丼」だ。こちらは朝食のド定番の納豆かけご飯に、細かく切ったカリカリ梅、オクラ、たくあんを合わせた丼だ。こめおさん自身も朝によく作るレシピだそう。
食べてみると、“カリカリとネバネバの共演”といえるような食感が非常に楽しい。梅とたくあんの酸味がいい味を出していて、噛めば噛むほどに複雑な美味しさが口の中で広がっていくのだ。なお、こめおさんは「卵黄を加えてもウマいぜ」と本書で書いていたが、実際に入れてみたら美味しさが130%くらいアップ! ぜひみなさんもトライしてみてほしい。
ほかにも「鶏手羽元としょうがの煮込み」など本書のレシピをいくつか作ってみたが、「簡単にお店みたいな“決まった味”が作れること」「勢いよく口にかっ込みたくなるような、男好みの味付けのものが多いこと」などが本書のレシピの魅力だと感じた。
レシピでは時に大胆な省略や置き換えなどを行いながらも、調味料や食材の選び方にはプロならではの工夫を感じるし、いずれのレシピも“大胆にして繊細”。まさに“闘う料理人”らしいレシピ本に仕上がっていた。簡単に作れる料理ばかりなので、料理初心者にも非常にオススメしたい。
文・料理=古澤誠一郎