小市眞琴×関根明良らでアニメ化の異世界成り上がりストーリー。『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』
公開日:2024/4/10
彼の願いはただひとつ。魔術を楽しみたい。それだけだった――。
異世界魔術バトルストーリー『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』(石沢庸介:作画、謙虚なサークル:原作、メル:キャラクター原案/講談社)が2024年4月からTVアニメ化される。これはファン待望のアニメ化だろう。原作小説とコミカライズ版を合わせて、シリーズ累計430万部超えの大ヒット作品で、いつ映像化されてもおかしくなかったからだ。
本記事では「マガポケ」で連載中である、コミカライズ版のストーリーとポイントを紹介していく。
異世界の国・サルームで、ある魔術師が決闘により非業の死を遂げたところから物語は始まる。男は魔術に最も重要とされる“血筋”と“才能”に恵まれない凡人だった。死の間際「もっと魔術を極め、学びたかった」と強く願った彼は、生まれた時から前世の記憶と意識、そして魔術の知識をもったまま転生して赤ん坊になっていたのだ。それから10年が過ぎた。
魔人もなすすべなし!圧倒的チートな魔力と才能をもった第七王子
サルーム王国の第七王子・ロイド=ディ=サルームは、魔術師だった前世の記憶をもったまま成長していた。生後すぐに言葉を解し、絵本代わりに魔術書を読み漁った彼は、まだ10歳ではあるが、すでに前世の記憶と合わせて膨大な魔術の知識をもっていた。周囲は魔術師としての才能は認めていたが、彼の真の能力には気づいていない。
ある日ロイドは、城の封印書庫に忍び込み、魔術師10人がかりで張った結界をいともたやすく解いてしまう。そこで禁書に封じられていた魔人・グリモワールと出会い、解き放ってしまう。狂喜した魔人は彼に古代魔術をぶつける。かつてサルーム王国を滅ぼしかけた魔人であっても、ロイドの敵ではなかった。古代魔術の解析を楽しみ、次に自分の魔術をグリモワールで試してみる。魔人はなすすべがなかった。“魔術オタク”の少年によって、地に這いつくばる。ロイドの人間とは思えない巨大な魔力総量と、彼の魔術に対する狂気に恐れをなし、グリモワールは彼に服従する。かくして、ロイドは魔人をグリモと呼び、使い魔とした。
凶悪な魔人との戦いも、彼にとっては新たな人生の楽しみのひとつに過ぎないのだ。
異世界魔術バトルはド迫力で、コミック版ならではの醍醐味だ。チートで圧倒的な能力により敵を圧倒していく爽快感が本作の魅力のひとつだろう。
ラブコメにも惑わされない主人公、生まれ変わって成り上がる!
本作はある意味、どん底からの成り上がりストーリーである。家柄も魔術の才能も、とにかく何一つもっていなかった前世から、人間離れした魔力をもった王家の少年・ロイドに生まれ変わる。しかも第七王子という王位継承には遠い気楽な立場で。
彼は気ままに、魔力を帯びたアイテムを求め、魔物や魔獣の討伐にいそしみ、気ままに魔術を極めようとする。前世からの夢を叶えたロイドは、いったいどこまで成り上がり、何を成し遂げるのだろうか。
個性豊かなキャラクターも本作のポイントで、ロイドの周囲には華やかなヒロインも複数登場する。元冒険者で剣技に秀でたメイドで、彼の教育係のシルファ。“気術”を使う女武術家のタオ。暗殺者ギルドの一員で、毒の特異体質をもつレン。彼女たちはロイドを気にしているようで、ハーレムもののような展開も楽しい。ただ、今のところ彼女たちの好意は彼に伝わることはない。とにかく、ロイドは魔術しか眼中にないのである。前述の通り「魔法が大好き」を通り越して「魔法狂」になっているのだ。
TVアニメでは、コミカライズ版で引き出されたド迫力の魔術バトルが、どんなアニメーションになるのか興味はつきない。ティザーPVを見たところ、作画の美しさもキャラクターボイスのハマり具合も間違いなさそうだ(本稿を書いている時点ではまだ放送前)。声優は小市眞琴や関根明良らが務める。
バトルも、キャラクターも、ラブコメ要素も詰め込んだ物語、ぜひアニメ放送前に“予習”しておくことをおすすめしたい。
文=古林恭