虐げられて育った少女は運命の恋に出会う『鬼の花嫁』クレハ原作、時空を超えた和風ラブファンタジー『龍神と許嫁の赤い花印』がコミカライズ化!

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PR 公開日:2024/3/31

龍神と許嫁の赤い花印"
龍神と許嫁の赤い花印』(中野まや花:作画、クレハ:原作/スターツ出版)

 運命の人は、絶対にいる。どんなに遠回りをしても、辛く苦しい思いをしても、すべては、あの人と出会うための過程にすぎなかったのだと、そう思わせてくれる恋がある。——そんな運命の恋を描き出したコミックが『龍神と許嫁の赤い花印』(中野まや花:作画、クレハ:原作/スターツ出版)。『鬼の花嫁』で知られるクレハ氏による話題の和風シンデレラストーリーを、中野まや花氏がコミカライズ化した作品だ。原作小説にもこの上なく心ときめかされたが、コミカライズ版では、その魅力がさらにパワーアップ。幻想的な世界の中で紡がれていくラブストーリーは、色鮮やかに眼前へと広がっていく。

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龍神と許嫁の赤い花印

龍神と許嫁の赤い花印

龍神と許嫁の赤い花印

龍神と許嫁の赤い花印

 主人公は、手の甲に赤い椿の形のアザを持つ少女・ミト。本来ならばそのアザは、龍神の伴侶の証として祝福されるべきはずのものだが、ミトが生まれ育った村では、過去の因縁から凶兆の証として忌み嫌われていた。ミトは「忌み子」と呼ばれ、学校にも家の外にも許可なく出ることを許されず、16歳になった今でも虐げられ続けている。そんなミトの唯一の救いは、幼い頃から夢の中に現れる、ある男と過ごす時間だった。その男の名は、波琉(ハル)。銀色の髪に紫紺の瞳、この世のものとは思えない美しい顔立ち。実は波琉は、天界の龍神たちの頂点に君臨する4人の龍神の一人・紫紺の王と呼ばれる龍神で……。

 丹念に描き込まれた世界は、ハッと息を飲むほど美しい。特に、ミトと波琉が会う夢の中の景色は、まるで花の香りが匂いたつかのようだ。花が舞い散る中、彼らの間にはなぜか壁があり、互いの声も聞くことができない。花びらで互いの名を教え合い、語り合い、かけがえのない時を過ごすふたり。彼らの恋はなんて切ないのだろう。手が届きそうで届かない、その距離は、なんとももどかしい。互いが互いを思い合いながらも、どうしてこんな理不尽な目に遭わなくてはならないのか。ミトを取り巻く現実の厳しさを知れば知るほど、夢の中での時間に、痛いほど胸が締め付けられる。

 だが、そんなかけがえのない時間を、夢の中だけで終わらせていいはずがない。ミトの思いを知った波琉は、彼女を現実世界でも探し出そうとする。感情の起伏に乏しいと言われる波琉が、ミトのことになると、たちまち表情を変える。ミトにどんどん惹かれ、彼女に会いたいという思いを募らせていくその姿に、思わず胸キュン。どうか、ミトと波琉が早く結ばれてほしいと、そう願わずにはいられなくなってしまう。

 きっと運命の恋はある。どんなに苦しいことがあっても、必ず幸せは、やってくる。この物語を読んでいると、そんな確信めいた思いが胸に宿る。このコミックは、原作小説の第4巻と同時に刊行されるという。原作ファンはもちろんのこと、原作は未読という人も、これを機に、コミカライズ版とともに、原作小説を読み始めるのも良いかもしれない。時空を超えた和風ラブファンタジー。うっとりとした気分に浸れるこの物語に、あなたも心ときめかせてみませんか。

文=アサトーミナミ