「子どものため」と離婚に踏み切れない。壮絶サレ妻の気持ちを変えた不倫夫の発言とは?
公開日:2024/6/4
子どもがいる家庭で夫が不倫したとき、あなたならどんな選択をするだろうか。子どもから父親を奪ってしまう離婚を簡単には選べないと感じる人もいるかもしれない。しかし、家事も育児にも協力もしない夫と無理に家庭を継続することは、子どもにとって本当に良いことだろうか。
『バイバイ! クソ旦那 ワンオペ育児中に不倫サレました。』(原案:サレ妻マリコ、漫画:Sumi / KADOKAWA)は、育児に非協力的な夫に不倫された妻の壮絶な離婚劇を描いた作品だ。本作は、夫の不倫に気づいていても、子どものために離婚を選べない妻の苦しい胸の内がありありと描かれている。主人公と同じように、子どもがいるからこそ離婚を選べない人やスリリングな不倫マンガを楽しみたい人におすすめしたい作品だ。
主人公のマリコは、夫のユウトと2歳の息子・ハルと暮らす専業主婦。夫は息子をかわいがりはするものの、育児にも家事にも協力的でなく、マリコは追い詰められていた。さらに、将来のことを考えてパートをはじめたことにより、もっと多忙になってしまう。
ワンオペ育児に家事、パートと多忙すぎるスケジュールをどうにかこなしていたある日、スマホの通知から夫の不倫に気づいてしまう。冷めきった夫婦関係だったとはいえ、知らない女に夫を寝とられたショックは計り知れない。夫は仕事が忙しいからワンオペ育児でも仕方ないと努力し続けていたのに、実際には他の女との不倫を楽しんでいたのだ。ただでさえ毎日のルーティーンで限界だったマリコは、不倫の悩みまで抱え込んだことでストレス性の胃潰瘍になってしまう。
入院後、夫のスマホに、大量に保存されていた不倫女・サオリの性的な写真を見てしまったマリコは、不倫の証拠集めをはじめた。結果はもちろん真っ黒で、確実に離婚できるほどの証拠が集まってしまう。マリコひとりで苦しみながら、あくまで息子のことを最優先に考えて耐え続けていたのに、夫は仕事だと嘘をついて朝帰りするように。マリコが失った心の余裕を想像すると、無責任で最低すぎる夫へのイライラが止まらなくなっていく。
夫が何より最低なのは、不倫を楽しむあまり熱を出して苦しんでいる息子に気づきもしないことだ。勤務時間に不倫相手のサオリを家に連れ込もうとして、息子の看病のために在宅していたマリコとハチ合わせてしまう。この最悪の状況でも、サオリは自分が夫の隣にいることは当然と言わんばかりの態度で「どうして離婚しないんですか?」と言い放つ。
マリコは、ハルをひとり親にしないためだけに離婚を踏みとどまってきた。しかし、その前日に発熱していた子どもの様子にも気づかない、あまりにも酷い夫の発言にそれは間違っていたのだと気づく。「あんたみたいなバカに父親面されるより母子家庭の方がずっとマシ!!」というマリコの言葉には、読者の気持ちのすべてが詰まっている。不倫の制裁を受けるシタ側の破滅に「ざまあみろ」とスカッとしたいところだが、物語はここからスリリングな展開に向かっていく――。
ありありと描かれたマリコの葛藤とスリリングな離婚劇の後には、マリコとハルの幸せな人生が待っている。笑顔で暮らせるようになったマリコたちの物語を、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。