トム・ブラウン布川ひろきのエッセイ連載「おもしろおかしくとんかつ駅伝」/第3回「年始めにっぽんの心」
公開日:2024/4/9
トム・ブラウン布川です。
ここで僕の好きなものを書くことに今も恥ずかしみがあるロングヘアー長髪ロン毛なのですがふとタイトルを見て思いました。
「おもしろおかしくとんかつ駅伝なんだからとんかつか駅伝の話しろよ。」
脳天直撃セガサターンです。いきなり脳にきました。
自分の好きなものを書くコラムで好きなものをタイトルに掲げてるのに書かないというベルマーレ平塚後期の中田英寿よろしくの尖り方かましてました。パルマ後期の中田英のようにチームバスに乗る前に唄えるくらい尖りを消せる男になるために「箱根駅伝」のことを書きたいと思います。
大学生が毎年1月2日、3日に約6時間ぶっ続けで行う箱根駅伝。視聴率が取れない時代と言われている今も28%を取るお化けのホーリーもビックリのお化け番組です。なので細かい説明はしません。知らないあなたが悪いです。でも続きを読んで下さい。あなたのことが好きです。
小学生の頃から毎年見ていて好きなシーンをあげると…
山梨学院大学中村選手3年時途中棄権の翌年4年キャプテンになりリベンジで区間賞、
法政大学金髪スーパーエース徳本選手1~3年時から活躍の翌年4年キャプテンで花の2区肉離れで途中棄権。その翌年卒業した徳本選手に向けて選手全員金髪で出場、
国学院大学寺田選手ゴール直前で道間違えて、てんやわんや、
今年優勝倍率1.01倍の駒沢大学を青山学院大学史上最大番狂わせで大会新記録優勝、
などなどあげたらキリがないほどたくさんあります。
今書いたことの細かい意味がわからない方。知らないあなたが悪いです。でも続きを読んで下さい。あなたのことが大好きです。
箱根駅伝の良い所はなんといっても襷を次のランナーに繋げるために懸命に走る所です。
脱水症状になり意識がなくフラフラになりながらも襷を渡すシーンは徳光さん泣きすぎて逆に脱水症状の感動シーンです。
そのシーンを見ていると思うのですが、僕らの生活では襷リレーが行われる機会が減っています。
昔は回覧板で人と人が会ったり連絡網で電話したり、人と関われる所が多かったのですが、
現代はプライバシーがうんたらかんたらで全てなくなっています。もちろん良くないことを考える人がいるので、なくしたのはわかります。でもなくすのが当たり前になっているのは何か変な気もします。僕はマンションに住んでいるのですが、住民の方に会ったら「こんにちはぁ~」と挨拶をします。するとビックリした顔をして無視する方が多いです。
「え!? この人話しかけてきた!? 変なやつ!」と、思われているのでしょう。僕がポリスにすぐ職質される不審者であることを差し引いても「話しかけてきた!?」は変だと思います。同じマンションの人にご挨拶は普通だろと思う。でも今はとにかく人に関わらないのが“普通”になっている気がします。僕がおかしいのか? と考えたりもします。無視される度にとてもグッスンゴレライ(悲しい)です。もう日本はそういう冷たい国になってしまったかと思ったりもします。
しかし箱根駅伝が毎年異常に視聴率が高いです。それは日本人の心の奥底に箱根駅伝の襷リレーのように人と関わっていたい気持ちがあるからなのかなと思います。そうじゃないと辻褄が合わないです。本当は関わっていたいけど、それを言うと今の時代に合わなくて恥ずかしい人がたくさんいるんだと思います。
だから僕は箱根駅伝を見て視聴率が高いのを見る度に「日本人の心はまだ死んでないな。」と安心するのです。
最近、親子の嫌なニュースが多かったりもします。頭の中の脳ミソが脳じゃなく脳のしわっぽいメロンパンが入ってんじゃないかってくらいアホが多いです。親子もみんな希薄なのではとも思ったりもします。
今年の中央学院大学の黒岩選手。
ランナーとして走るのですが給水をお父さんにお願いしたのです。給水は箱根のコースを走りながらドリンクを渡すのですが、そのお父さんは同じ中央学院大学の陸上部で4年間補欠で箱根を走れなかったのです。給水をお願いしたことによって、約20年の時を経て箱根のコースをお父さんに走ってもらうという親孝行をしたのです。これが話題になっていたのです。話題になるということはやはり「日本人の心は死んでないな。」と、思いました。
つまり僕が箱根駅伝を好きなのはスポーツとして面白いのはもちろんなのですが、みんな心がなくなってしまったわけではなく、心を出すのが下手になったのだなと思わせてくれるからなのかもしれません。
だからずーっと箱根駅伝の視聴率が落ちないことを切に願っています。
それにしてもちょっとわからないワードが多すぎましたかね。でも知らないあなたが悪いです。しかし最後まで読んでくれたのですね。もしよければそのわからなかった所をちょっとだけ調べて箱根駅伝をもっと好きになって下さい。
あなたのことを愛してます。