ハッピーなオーラを放つあやみん先生ですが、45歳から52歳の数年間を振り返ると、“暗闇時代”だったそう。義母の介護と販売員の仕事、娘の受験と多忙を極め、さらに夫の浮気も……。それでも介護をやりきり、義母と実父が他界した頃、疲れきって退職したタイミングで突然離婚を突き付けられたといいます。

　離婚されて無職の、疲れきった52歳。まさに「どん底」の時にあやみん先生を救ったのは、大好きな「ファッション」でした。まずは手に職をと、20代の頃にスタイリストとして活躍していた経験を生かし、猛勉強してパーソナルスタイリストに転身。好きな服を着ることで得られるパワーや喜びを伝え続けることで、今やインスタグラムフォロワー数4.2万人、年間ショッピング同行100人の実績を重ね大人気に。自分と同じように悩む女性たちの力になるため、「45歳からの生き方をファッションで劇変させる専門家・ブランディングスタイリスト」として活躍中です。

　多くの女性たちに「似合う服を着るよろこび」を伝授してきたあやみん先生のメソッドがまとめられた一冊が、『45歳からの「似合う」が見つかるおしゃれ塾』（冨永彩心/主婦の友社）。若い時から知識がアップデートされていないファッション迷子でも、「もういい歳だし……」と諦めぎみでも、大丈夫。本書を読めば、手取り足取り「45歳からの垢ぬけ」に導いてくれます。

「私もおしゃれになって、変わりたい！」と思っても、何から始めたら良いかわからない人に本書はぴったり。「全身写真を撮る」「自分が持っている服を把握する」など、まずは自分を知るワークから入るから、失敗しにくいんです。

　服の選び方に関する指南が丁寧なのはもちろんのこと、こなれて見せる着こなしのテクニックも満載。例えば、「年齢を気にするあまりに『守り』に入っているのでは？ それが老け見えにつながっている可能性もあるんです」というアドバイスには、目から鱗。きれい色を上手に取り入れる提案や、品よく肌見せしてこなれ感を出すコツなども教えてくれています。

　年齢的にプチプラを着るのはみっともないかもという心配にも、的確なアンサーが。「安いけど良いもの」を見極めるポイントは「縫い目」にあるそうで、賢い買い物でおしゃれを楽しむ方法も知ることができます。

　記事でご紹介した内容はほんの一部。本書にはほかにもさまざまなテクニックが惜しみなく掲載されているので、読めば自分の好きな服、似合う服を選べるようになるはず！

　本当は変わりたいのに、「でもいい歳だし……」と勇気を持てない人がいたら、本書の最後に書かれている「あやみん先生のファッション格言集」の一つをお伝えしたい。

「迷い悩んでいるのは『服』ではなく『人生』」

　あやみん先生がファッション同行で多くの女性たちと接して伝えたいと思ったことは「自分が好きだったことや、やりたかったことを思い出してみて。もっと自分に目を向けていいんだから！」ということ。長い人生、自分を一番輝かせてあげられるのは自分。そんなメッセージを本書から強く感じ、読んでいて勇気をもらったような気がします。

文＝三浦小枝