杉咲花でドラマ化も決定した『アンメット』。元脳外科医の原作者が、ワーカホリックの脳外科医を描く医療マンガ

マンガ

PR 公開日:2024/4/11

アンメット-ある脳外科医の日記-
アンメット-ある脳外科医の日記-』(子鹿ゆずる:原作、大槻閑人:漫画/講談社)

 週刊誌「モーニング」で2021年より連載されている『アンメット-ある脳外科医の日記-』(子鹿ゆずる:原作、大槻閑人:漫画/講談社)。本作はワーカホリックな変わり者の脳外科医・三瓶友治と、その周囲の人々や患者による多彩なエピソードを描いた医療ドラマだ。

 2024年春には作中に登場する重要人物・川内ミヤビを主人公として連続ドラマ化も決定! ミヤビを演じるのは、実力派女優として安定した人気を獲得する杉咲花。また彼女のみならず個性派俳優の起用も続々と決定し、マンガ好きを超えた大勢の人々から今熱い注目を集める作品ともなっている。

アンメット-ある脳外科医の日記-
Ⓒカンテレ

 物語の舞台となるのはとある地域にある基幹病院・丘陵セントラル病院。ここに勤める総合診療科の川内ミヤビは、ある日病院に脳外科医の新任医として着任した三瓶友治に出会う。

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 着任日から仮眠室に生活用品一式を持ち込む三瓶を見て、彼を仕事中毒(ワーカホリック)と一目で見抜くミヤビ。彼女の判断は正しく、三瓶は以前勤めていたアメリカの病院も、その仕事中毒ゆえのミスを理由にクビとなっていた。

 そんな三瓶は病院に着任早々、重症患者の受け入れと緊急手術を担当することに。

 常日頃はずぼらで空気を読まない振る舞いも多い彼。しかしその緊急手術をはじめ、確かな技術や判断の早さ、そしてなにより患者に真摯に寄り添う姿勢に、少しずつ周囲も三瓶の存在を受け入れていく。

 それは着任初日の手術を共に乗り越えたミヤビ、そして救急部長の星前宏太も同じだった。そんな彼の人柄を見て、星前は三瓶にあることを打ち明ける。

 病院へ医師としてやってきてから、何かと三瓶とも関わることも多かったミヤビ。実は彼女は記憶障害を患っており、短期記憶の能力が欠如している。つまり昨日のことすら覚えていられないが、それでも医師を続けているのだ、と――。

 本作に限らず、いわゆる病院や医師をテーマとした医療モノ作品はこの世の中に数多く存在する。その中でも本作のユニークポイントとなっているのは、やはりマンガの主人公・三瓶とドラマの主人公・ミヤビという、二人の重要人物に隠された背景やその関係だろう。

 一見無気力ではあるが、脳外科医の仕事には矜持を持って取り組む三瓶。そして明るく何事にも懸命に取り組むが、大きなハンデを背負うミヤビ。

 物語は終始この二人を中心に展開する形となっており、マンガの主人公は確かに三瓶ではあるものの、その横で三瓶を時にアシストし無愛想な彼のフォロー役を務めるミヤビも、充分ストーリーの主軸を担う魅力を孕むキャラクターだ。

 いわば本作で、ダブル主人公として据えられても遜色のない三瓶とミヤビ。しかし物語が展開するにつれ、隠されていた二人の関係も明らかとなる。

 そこが明かされてからが、本作に込められた主題の本領発揮とも言えるだろう。

 人間が何かを考える時、感じる時。はたして使われるのは「脳」か「心」か。

 自身も脳外科医であった原作者の経験をもとに、脳にまつわる様々な病気・障害を啓蒙すると同時に、人間の身体で唯一科学的な説明が付きづらい「心」についても考える。

 そんな本作の主題に、大勢の実力派俳優たちがどのような形で息を吹き込むのか。それもまた、実写化される作品の見どころのひとつでもあることだろう。

文=ネゴト / 曽我美なつめ

月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記
4/15スタート 毎週月曜夜10時(カンテレ・フジテレビ系)
【出演】杉咲花 若葉竜也 岡山天音 生田絵梨花 山谷花純 尾崎匠海(INI)
安井順平 野呂佳代 千葉雄大 小市慢太郎 酒向芳 吉瀬美智子 井浦新