ひろゆき氏推薦! ウナギ流通の謎に迫った企業エンタメ小説『偽鰻(ぎまん)』に反響「読み込んでいくほど引き込まれていく」
公開日:2024/4/16
2024年4月4日(木)、「ポプラ文庫」から社会派エンタメ小説の書き手として知られる保坂祐希の著書『偽鰻(ぎまん)』がリリースされた。絶滅危惧種でありながらも食卓にあがり続ける“ウナギ”をテーマにした衝撃の物語に、早くも大きな反響が寄せられている。
著者の保坂は、2018年に執筆した自動車会社の不正をめぐる小説『リコール』でデビュー。大手自動車会社グループでの勤務経験を活かした社会への鋭い視点と巧妙なエンタメ要素が人気を博し、社会派エンタメ小説界の新星として名乗りを上げた。
そして『偽鰻(ぎまん)』は、2020年に刊行された『黒いサカナ』の文庫版。いまだ生態に多くの謎が残る高級食材“ウナギ”をテーマにした、社会派エンタメ企業小説だ。
「土用の丑の日」には各家庭で食されるなど、日本人にとって身近な存在のウナギ。しかし一方で、ウナギがどのように流通しているのか知っている人は多くないだろう。同作は、主に2つの時代の物語が並行して語られる。
現代にあたる2020年に登場するのは、ヴィアンモールという巨大スーパーの鮮魚部門で働く蔵本里奈。食べることが好きという動機で親会社に当たる「ヴィアン・リテーリング」に就職し、現在は研修のため現場での勤務を命じられていた。
もうひとつの1990年は、ある代議士の政策秘書として働く西岡の視点で展開されていく。宮崎県の漁村・小木曽出身の西岡は、ある日議員事務所で夕刊を開いたところ、かつての同級生である沢木隆一が逮捕されたことを知る。沢木は隣町のヤクザにスカウトされるほどの不良で、逮捕当時は「総会屋」になっていた。
「総会屋」とは、株主の権利を濫用して会社から不当な利益を得る者のこと。不祥事で荒れることが予想される株主総会に出席し、銀行や企業から金銭を貰う代わりに面倒事をあらゆる手で“無かった”ことにするという。しかし沢木は、銀行からの不正融資に関わった疑いで逮捕されてしまったのだ。
そして時は戻って2020年、里奈は勤務中に偶然再会した大学時代の友人・香川春樹と趣味の釣りをしに小木曽を訪れる。同地は養殖ウナギの名産地で、「ヴィアン・リテーリング」は早々に目をつけて漁協と専売契約を取り付けていた。そのため里奈が務めるスーパーでは、比較的安価で高品質なウナギが提供されている。そんな話をしていると、2人の目線には見慣れない場違いな高級車が。その座席には、沢木とよく似た人物が座っていて――。
沢木の存在を起点に、次々と暴かれていくウナギ流通の暗部。フィクションでありつつ現実の謎も交えた鋭い内容に、読者からは「そうくるか、そうくるか、の連続でページをめくる手が止まらなかった」「読み込んでいくほど引き込まれていく」と絶賛する声が上がっている。
また今回のリリースに際して、「2ちゃんねる」創設者で実業家の西村博之(ひろゆき)氏から推薦文が寄せられている。
「ウナギの養殖に使うシラスウナギは、過去には毎年100トンとか取れてましたが、現在は5トンぐらい。20分の1ぐらいになっています。ニホンウナギは『絶滅の可能性が高い』ので国際自然保護連合がレッドリストに載せてたりもします。ウナギの値段が20倍になってるかというとそういうわけではありません。何故、ウナギの流通量は減っているように見えないのか? ※現実の謎を交えたミステリー小説です」
ひろゆき氏の言う通り、確かに「なぜ、ウナギの流通量は減っているように見えないのか?」というのは大きな謎である。ニュースなどでウナギについて取り上げられた際、ふと同様の疑問を抱いたことがある人も多いのではないだろうか。
「ウナギの漁獲量と流通量が合っていない」「ウナギは近所のスーパーなどでたくさん並べられているのに、漁獲量は明らかに少ない」「その裏になにがあるのか?」
同作を読めば、それが理解できるかもしれない。“ウナギの真実”に迫りたい人は、ぜひ手にとってみてほしい。