横澤夏子&ケロポンズが“イヤイヤ期あるある”に共感!思わず涙もこぼれる『おにのこにこちゃん』親子コンサート【イベントレポート】

文芸・カルチャー

公開日:2024/4/12

 「あれじゃなきゃイヤ!」「自分でやる!」など子どもの自己主張が強くなるイヤイヤ期。親は振り回されてクタクタに…。そんなイヤイヤ期のドタバタを笑顔に変えようとするイベント「おにのこにこちゃん親子コンサート」が、3月23日に東京青山のスパイラルホールで開催された。

 このイベントは、育児は「休み」ではなく「未来を担う子どもを育てる大切で尊い仕事」と捉え、誰もが“育業”できる社会を目指す東京都育業応援プロジェクトと、イヤイヤ期の子どもと家族の姿を描いた絵本『おにのこにこちゃん』(ポプラ社)がコラボしたもの。絵本の作者でもある、子ども向けの音楽や体操を作る2人組ユニット・ケロポンズが登場し、子どもが「イヤー!」をしてもニコニコできるような空間のなか、50組の親子が招待されてステージを楽しんだ。

●ケロポンズが子どもの心をわしづかみ!

おにのこにこちゃん親子コンサート

 1999年の結成から約25年も子どもとのふれあい遊びに携わってきたケロポンズのステージは、子どもの心のつかみ方が秀逸。楽しそうな音楽と共に登場すると、2人で頭やお尻などをくっつけて遊ぶ『ひっつきもっつき』を披露。グズグズしていた子どもたちも吸い寄せられるようにしてステージに集中!

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 さっそく子どもの心を掴んだケロポンズが「今日はみんなどうやってここに来たの?」と問いかけると、子どもたちから「電車!」の声。すると、ケロポンズのケロちゃんのピアノで『のりものGO!GO!』の遊びうたがはじまる。ポンちゃんが電車に乗っているような動きをして盛り上げると、今度は「救急車!」「飛行機!」などと子どもたちの口から色々な乗り物の名称が飛び出し、驚くほどの盛り上がりに。歌やパネルシアターなどで、まだまだ落ち着かない年齢の子どもたちの注目を集め、最初の5分間で会場の温度がグッと上がるのが感じられた。

●ママパパ共に“育業”した横澤さんが学んだことは?

おにのこにこちゃん親子コンサート

 トークショーには、0歳・2歳・4歳の3児の母として、まさに子育て真っ最中であるママタレント・横澤夏子さんがゲストとして登場。「イヤー!」を連発するにこちゃんのかわいらしい“育児あるある”が描かれた絵本『おにのこにこちゃん』の絵本を手にしたとき、横澤さんは「うちの子じゃないか…」と感じたとか。「1人目は初めての子育てに全集中。2人目で私の手だけではどうにもならないことに気づき、3人目でやっと我が子をかわいいと思えるようになった」とのこと。

 横澤一家ではママパパ共に“育業”を経験。「ママが1日24時間どんな子育てをしているのかを、パパが家にいて知ってくれるだけでも本当に助かる」と“育業”を通して学んだことが語られると、子育てで人の手を借りることは甘えではなく必要なことなのだ、ということが伝わってきた。横澤さんは、子育ての頑張りをお互いに讃え合うように、会場に来ているママパパにも「今日ここに出かけてくるのだって大変でしたよね、みんな頑張った!」とメッセージ。

●“イヤイヤ期あるある”で共感の声が続々

おにのこにこちゃん親子コンサート

『おにのこにこちゃん』の読者から募集した「子育てあるあるエピソード」では、目をはなしたスキにママのアイシャドーをぬりたくっていた…料理のお手伝いをしてもらったら食べ物をムシャムシャ食べてしまった…というエピソードなどが、かわいいにこちゃんのイラストと共に紹介された。

 横澤さんは「これ、ありますよね!」と共感しながら、「うちでも、子どもがベビーカーに乗りたくなくてダラ~っと寝そべってしまう」という日常の“あるある”を報告。その話をInstagramに載せたら「液状化ですね!」とファンからコメントがあったらしく、この話にはケロポンズも「なるほど~!」と納得。

 さまざまな“あるある”を聞いたケロポンズは、「子どもは、自分でやりたいことをやろうとすることで成長していく。親は大変だけど、子どもにとっては大切な時期」「さっきの液状化みたいに大変な時も、同じ状況の人と共感しあって、楽しむことができるといいですよね」と横澤さんや会場のパパママにアドバイスも。

●子どもたちが読み聞かせや歌に集中!

おにのこにこちゃん親子コンサート

 絵本の読み聞かせでは、横澤さんが『おにのこにこちゃん』のお母さん役に! また、『にこちゃんたいそう』では、にこちゃんの着ぐるみも登場して大盛り上がり。ケロポンズの代表曲でもある『エビカニクス』では、ケロポンズと同じ“ツメ”を持ってきた親子の姿も。子どもだけでなく、ママパパも一緒になって、踊ったり体を揺らしたりしながら楽しんでいた。

 ケロポンズのポンちゃんが「うちは、双子が19歳になりました。ちっちゃい頃は昼だか夜だか、起きてるんだか寝てるんだかわからない忙しさだったけど、今考えるとあんなに豊かな時間はない。本当に大切な時間でした。みなさんも大変だと思うけど楽しんで」と投げかけると、横澤さんがホロリと涙を流す場面も。

●大変な時こそ、親がニコニコするために…

おにのこにこちゃん親子コンサート

 イベントに参加したママパパからは「親子で楽しめて幸せな時間でした」「横澤さんの子育てあるあるに共感でき、ママとしてとても勇気がもらえました」「子どもが泣いたりさわいだりしても気がねなく楽しめてうれしかったです! みなさんのエピソードもはげみになりました」などの感想が寄せられ、日々の子育ての大変さを分かち合えた様子。

 子どもがイヤイヤをしていても、不思議とニコニコに変わってしまうような絵本『おにのこにこちゃん』やケロポンズの楽曲。子育てが大変な時こそ、絵本や歌で子どもと遊んだり、誰かの手を借りたりすることで、親もごきげんでいられるということを改めて実感させられるイベントとなった。

おにのこにこちゃん親子コンサート

●東京都「育業」応援プロジェクトとは?

育児は「休み」ではなく「大切な仕事」と考える愛称「育業」の理念を浸透させ、多様な主体と連携して、育業を社会全体で応援するための取り組み。

●『おにのこにこちゃん』について

イヤイヤ期真っ最中のおにのこにこちゃんが、いやなこと、できないことに立ち向かいながらすくすく成長! ママクリエイターの原あいみさんが絵を描き、ケロポンズがストーリーを手がけた絵本は全7冊。Xでは、毎週水曜朝8時にショート漫画を更新している。

取材・文・写真=吉田あき