2歳から始めるオムケア!医師監修、男の子とお母さんのための性の絵本「ぞうちんとぱんつのくに」が発売

文芸・カルチャー

更新日:2024/4/17

泌尿生殖器ケア教育を推進する、助産師の石嶺みきさんが監修するオムケア(おちんちんケア)本『おとこのことおかあさんのための「性」の絵本 ぞうちんとぱんつのくに』(KADOKAWA)が2024年4月24日(水)に発刊する。

ミキズハウス助産院の院長、Midwife M 腟ビューティー(R)協会代表を務める石嶺さんは、これまで“全ての世代の人を、泌尿生殖器ケアを通じて幸せにする”という信念のもと「フェムケア」「思春期性教育」「おちんちんケア(オムケア)」について提唱してきた。特に「おちんちんケア(オムケア)」は、誤った認識でトラブルに繋がることが絶えないため、2022年にクラウドファウンディングで、全世代に向けた「おちんちんの教科書」を制作するなど正しい知識の普及に努めてきた。

親子参加の「助産院いのちのおはなし会」にて登壇する石嶺さん
親子参加の「助産院いのちのおはなし会」にて登壇する石嶺さん

263万2,500円集めたクラウドファンディングで作成した「おちんちんの教科書」
263万2,500円集めたクラウドファンディングで作成した「おちんちんの教科書」

今回は、小さい頃からセルフケアやおうち性教育に取り組めるよう、2歳から親しめる絵本を発刊。親子間で明るく楽しく性についての会話が生まれるよう、オリジナルソングも制作した。絵本や歌を通じて、性に対する理解や「おちんちんケア(オムケア)」の正しい知識を伝え、子どもたちの心と身体を安心して育むことができる環境が広がることを願っている。

本書について石嶺さんに話を伺った。

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ーー本書の狙いやターゲットを教えてください。

妊婦さんや乳幼児(男の子)を持つママ、医療者、保育士の方などがターゲットです。子どものおちんちんケア(オムケア)については、インターネットからや古い情報を得て、医学的に正しい方法が分からなかったり実践されていなかったりするため、正しい方法を普及させたいという狙いがあります。また、この絵本の読み聞かせが出来る講師を協会認定で輩出し、Webや現地開催を通して、全国で読み聞かせ会を実施していく予定です。保育園や小児医療機関などにこの絵本を設置していただき、幼児教育に関わるさまざまな職種の方々の知識の底上げやアップデートに活用していただきたいと考えています。

ーー本書のイチオシ、目玉となるものを教えてください。

医師監修で医学的に正しいオムケア(おちんちんケア)の方法を学べる点、親子で楽しくオムケアを実践するために、絵本の発刊にあわせて、オリジナルソング「ぞうちんのおふろうた」も同時発表しているところです。

絵本では、入浴時に歌に合わせたおちんちんの洗い方も伝えている
絵本では、入浴時に歌に合わせたおちんちんの洗い方も伝えている

ーー絵本のアイデアはどのようにして生まれましたか?

助産師として約10年間、新生児訪問1800人、乳幼児(4ヶ月~3歳児)5400人を担当してきた中で、ママ達からおちんちんケアに尋ねられることが多かったです。フェムケアの注目が高まる一方で、男の子のオムケアはまだまだ浸透しているとは言えません。おちんちんに痛みや痒み、皮膚などのトラブルが起こっても、「人に聞くことは恥ずかしい」という理由から、ネットで検索し、誤った対応をしてしまうことも多いのが実情です。協会を設立し医師監修でオムケアの教科書を作成しましたが、より家庭内で楽しく学び実践できるにするには絵本が効果的ではないかと考えました。

現在も新生児訪問などを担当する石嶺さん
現在も新生児訪問などを担当する石嶺さん

ーー読者(ユーザー)へのメッセージがあればお願いします。

女性がどんなにセルフケアを行っても、男性側がきちんとケアしていなければ性感染症の不安が拭えないため、男の子のおちんちんケアを当たり前の習慣にし、性別に関係なく、正しいセルフケアができるようになり、心と体を育むことに繋げていきたいと考えています。今後は発展途上国の教育や企業との連携を進めることで、世界中に“命と健康を紡ぐ”フェム&オム教育を広めてまいります。

本書の特徴

1.専門医の監修による「正しい知識」が詰まった絵本

助産師である石嶺さんに加え、皮膚科専門医、形成外科専門医が監修。正しい知識の普及により、トラブルや性犯罪を未然に防ぎ、性に対してオープンに話せる環境で子どもたちの心と体を守ること、親子の幸せな生活に寄与したいと考えている。

2.日常の素朴な疑問に答える「Q&A」を掲載

絵本には、お母さんたちの日常の素朴な疑問に専門医が答えるQ&Aも掲載。おちんちんケアの方法で悩むママは多いこんな質問にも答えている!

おちんちんケアの方法で悩むママは多い
おちんちんケアの方法で悩むママは多い

Q.おしっこの時もおちんちんは拭いた方がいいの?
Q.おちんちんの皮は剥いた方がいいの?
Q.おちんちんのケアはいつ頃から伝えたらいいですか?
Q.おちんちんのトラブルで病院を受診する目安ってありますか?
Q.おちんちんってどこの部分を言うの?etc…

絵本を通じて、子どもたちは正しいセルフケアを、そしてお母さんたちは、男の子のケアに関する疑問を解消し、安心して性教育の第一歩を踏み出すことができる内容になっている。

3.楽しみながら学べる「おちんちんケアソング」も同時発表

絵本の発刊にあわせて、オリジナルソング「ぞうちんのおふろうた」も同時発表する。「ぞうちんのおふろうた」は、親子で楽しく歌いながら、正しいおちんちんの洗い方を学ぶことができる歌。おちんちんケア(オムケア)の習慣化を目指すと同時に、タブー視しがちな性の話について、小さな頃からオープンに話せる環境づくりや性教育への関心を高めることを目的としている。

【書籍情報】
書名:『おとこのことおかあさんのための「性」の絵本 ぞうちんとぱんつのくに』
著者:原作・監修 石嶺みき / 作画・構成 ゆままま
定価:1705円(税込)
発売日:2024年4月24日
出版社:KADOKAWA
ページ数:本文32ページ

原作者である石嶺みきさん
原作者である石嶺みきさん

【石嶺みき(いしみね・みき)プロフィール】

ミキズハウス助産院 院長/Midwife M 腟ビューティー協会代表。栄養士・医療事務として勤務。結婚後、不妊治療・妊娠・出産を経験したことから、子どもが1歳の時に看護学校へ入学。内部推薦により助産師専攻科へ進学し、看護師・助産師の国家資格を取得。卒業後、埼玉医科大学病院産婦人科病棟・外来勤務で研鑽を積み、ミキズハウス助産院開院。
子どもがHSC(HighlySensitive Child)であったことから、自己肯定感・自己効力感・人間力について向き合ってきた経験を活かし、母親のメンタル面のサポートも行っていきたいとの思いから保健センターにも勤務し、妊娠SOS相談窓口や、新生児訪問、乳幼児健康診査等に従事。
2021年にMidwife M 腟ビューティー®協会を設立。“全ての世代に、泌尿生殖器ケアを通して幸せになってもらいたい”という信念のもと、「フェムケア」「おちんちんケア」「思春期性教育」をテーマとした教育を展開中。各種講座の開催や教育現場への指導のほか、講師の育成にも力を入れており、85名を越える講師を輩出。埼玉県出身。

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