プライドの高い親を病院に連れて行く方法や、お金の対策… 親が認知症かも?と思ったら読むべき1冊『マンガで解決 親の認知症とお金が不安です』
PR 公開日:2024/4/19
同じことを何回も確認したり、色々忘れていたり…高齢の親の言動になんとなくチグハグさを感じて、「もしかして、認知症?」と思ったことはないだろうか。年齢を重ねると誰もがなる可能性のある認知症だが、詳しいことを知らないといたずらに不安ばかりが募るもの。親と離れて暮らしている人ならなおのことだろう。
認知症に関する本もたくさん出ているので、早めに情報収集しておくと「心と生活の防御」になるのでオススメだ。中でも人気エッセイ漫画家・上大岡トメさんの『マンガで解決 親の認知症とお金が不安です 』(主婦の友社)は、親しみやすいマンガとコラムで読みやすく「認知症の不安あるある」を分かりやすく共有&解消してくれるのでありがたい。
前作『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』の著作もあるトメさんだが、前作の時には両親は元気で「介護はまだ先」と思っていたとのことで、今回は離れて住む両親(特に父親)が認知症になったというリアルな体験(と焦り)が根っこにある。そのため専門医の杉山孝博先生(本書の全体監修者でもある川崎幸クリニック院長)や、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さん(本書のお金編監修)への取材にも切実感があり、「そうそう、これが知りたかった!」という的を射たトピックがズラリと並んでいるのだ。
まずは「敵に立ち向かうには敵を知ること」というわけで、第1章「認知症はこわくない!あわてず騒がず知識をつけよう」で認知症とは何か、症状の進行状況や治療・予防といった知識の概略を押さえたら、第2章「『もしかして認知症?』と思ったら家族は何をする?」で実践編スタート。医者と連携して上手に病院に連れて行く方法や、生活まわりで配慮すべきことなどやれることを具体的に教えてくれるので、少しずつ頭もクールダウンするだろう。
さらに実践編は続き第3章は気になる「お金」の話。「認知症とお金対策 情報を集めてすぐ行動」として、すぐに着手すべきことを具体的に教えてくれる。「認知症になったら口座が凍結される可能性がある」など知らないと焦りそうなシビアな事柄もあるので、確実にお尻に火がつくはずだ。そのあとは「第4章 認知症の人の見える世界を知ろう」「第5章 親が認知症になったら本人と家族はどうなるの?」「第6章 認知症の人と共に生きていくために」と、多くの体験談や専門家のアドバイスが「認知症の家族と一緒に生きていくためのコツ」をさまざまに教えてくれる。
もしかすると「まさかうちの親が…!?」と異変を感じていても、なかなか認知症の診断までは踏み切れないという方もいるかもしれない。だが早期発見すれば、不可解な言動は認知症のせいだと納得できて家族の混乱がおさまったり、早く治療を開始できたり、認知症に隠れている病気を発見できたりなどのメリットもある。介護サービスも利用しやすくなるので、負担を家族が抱え込まないためにも大事なこと。とにかくそうした最初の一歩を踏み出すためにも、「ちゃんと理解すること」が背中を押してくれるはずだ。
「親の介護は来るべき自分の老後への予習だな。今から自分で何ができるだろう?」とトメさん。将来の自分たちのためにも、こうした本を参考に認知症と上手に共存していきたいものだ。
文=荒井理恵