「捨てられない」のは脳のせい! ベストセラー『片づけ脳』の 脳内科医が明かす「捨てることができる脳」の鍛え方
PR 公開日:2024/5/15
「いつか使うかもしれない」と思い、物を捨てることができない……。そう悩みつつ、物が溢れる部屋での生活を送っている人は意外に多いのではないだろうか。
『捨てる脳』(加藤俊徳/自由国民社)は脳科学の視点から、“捨てられない“を解決する斬新な片づけ本だ。
著者の加藤俊徳氏は医学博士で脳内科医。これまでに1万人以上のMRI脳画像を診ており、現在は加藤プラチナクリニックで、独自に開発した「加藤式脳画像診断法」を用いながら脳を強化する健康医療も行っている。
過去には脳科学の視点から片づけられない理由を解説する『片づけ脳』(自由国民社)がベストセラーに。同書は、脳を機能ごとに区分し、弱った脳の部位ーー「脳番地」をトレーニングで鍛えて片づけ上手を目指すものだ。
そして本書はその続編。「片づける」ことよりもさらに高度な「捨てる」という行為と脳の関係がわかるほか、捨て上手になるための脳番地トレーニング法が学べるのだ。
加藤氏いわく、そもそも脳は「集める」仕組みになっているという。視覚系や聴覚系を通じて集めた様々な情報は、ワーキングメモリ(作業記憶)として脳が情報処理を行うようになる。ところが、このワーキングメモリには容量の限界があり、情報を集めるばかりだと脳が上手く働かなくなってしまうのだとか。
また、集めた情報を上手く捨てることができないと、脳はなるべく労力を使わずに、今まで集めたものでなんとかしようとする「省エネ脳」になってしまうそう。「省エネ脳」になって脳がどんどん使われなくなると、やがて成長するために新鮮なものを集めることができない「マンネリ脳」になってしまうと指摘する。
こうした事態を避けるには必要な情報を取捨選択でき、大事なものを残せる脳(=捨てる脳)にしていくことが重要だ。そこで、加藤氏は「脳番地」を鍛えることで、自身の脳を「捨てる脳」に変えていこうとアドバイスする。
例えば、片づけについて書かれたノウハウ本は手に取るのに、実際の片づけができない人は、体を動かすことに関係する「運動系脳番地」を鍛える必要があるそう。
効果的な対処法は、今からやることと、その次にやることをメモに書くこと。「食器を洗ったら、ゴミをまとめて捨てに行く」など2つの行動をセットにすると、次にする行動のスイッチが入りやすくなり、何をしようか考えているうちに時間だけが過ぎるなんてことがなくなるそうだ。
また、このタイプは1つ行動した後に手、足、口のどれかを使うことが脳に行動を起こさせる秘訣であるため、メモを書き、手を動かすことが重要となる。
著者は他にも、「色々なものを溜め込んでしまう」「テーブルに物が増えていってしまう」といった、あるあるな“捨てられない”お悩みを解決する脳番地トレーニングを紹介。まずは本書内のチェックリストで自分の「捨てられない脳」レベルをチェックし、鍛えるべき脳番地を知ることからスタートしよう。
なお、本書では「捨てる」という行為と長期記憶の密接な関係についても詳しく解説されていて面白い。私たちが捨てたいと思う物には、記憶による“3つのランク”があることを分かりやすく説明しつつ、「捨てる脳」に生まれ変わるための3つの心得も紹介している。
加えて、本書には片づけられない家族への対処法も掲載されているので、色々な立場の人にとって心強い一冊となることだろう。前作『片づけ脳』も併せてチェックし、ごちゃついた部屋と頭をスッキリさせてほしい。
文=古川諭香