親が子どもに勉強を教えるのは逆効果!? 受験する子どもとの正しい距離感とは
公開日:2024/5/8
子どもを中学受験させるか。どの中学校を目指すか。塾はどこを選ぶか。
そして、どうすれば合格させられるのか――。
『中学受験のはじめ方』は、子どもの中学受験に悩む親にオススメしたい本です。
中学受験で受かるために必要な、「知識」と「覚悟」がすべて詰まっています。
受験成功に必要なのは親の「知識」と「覚悟」なのです。
YouTubeチャンネル登録者数9万人超えの「にしむら先生」が、中学受験を考えたときに「やるべきこと」をゼロからわかりやすく教えてくれます。
2024年現在の中学受験事情を網羅した1冊を、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事は書籍『中学受験のはじめ方』(西村創/KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
NG行動2 率先して勉強を教える
子どもの隣に座って学習内容を教えるのは、意外と子どものためになりません。子どもは、一生懸命説明してくれる親の期待に応えようとして、わからなくてもわかったふりをするものだからです。それに、知識として定着するのは、自分で考えて、自分で答えを出したことです。親の解説を理解しても、その知識はすぐに忘れるものなのです。
そもそも勉強の醍醐味は、わからないことを自分で考えて正解にたどりつく瞬間にあります。親が解き方や答えを教えてしまうと、勉強をつまらないものにさせてしまいかねません。
教えずにヒントを与えて子ども自身に気づかせるのがうまい働きかけですが、時間がかかりますし、待つ忍耐力が問われます。そのため、多くの保護者は率先してわが子に教えたくなってしまうのです。
▶ 親が教えることで上がる成績は限定的
保護者ががんばって子どもに勉強を教えて、実際に成績が上がっていたとします。その場合も、いま一度考えていただきたいのは、「子育てのゴールはどこか」という家庭の教育方針です。
「とにかく、いい学校に入学させられれば、後はその最高の環境で先生や友達に影響されて、成長していってくれるだろう」と考えるのであれば、子どもの受験合格のために全力で勉強を教えるのもいいでしょう。
でも、子育てのゴールを中学受験合格でなく、中学に入学した先、成人になって就職して、親から離れても自分の力で人生を切り拓いていける自立性を養うことであれば、少しずつ、親子の二人三脚状態から子どもがひとりで勉強できるように、距離を置くのが望ましいです。
私の友人知人の私立中学の先生たちは、口を揃えて、「入学してから伸びるのは、親に手取り足取り勉強の面倒を見てもらってなんとか合格した子より、自分で勉強する習慣を身につけている子だよね」と言っています。
▶ 親は間接的なサポートに徹したほうが吉
もしも今、子どもに一から十までていねいに教えているのであれば、答えまで導かずに考える材料を伝えたり、考え方を教えたり、テキストのどのあたりを見れば答えを出せるかを示したりといった間接的なサポートにとどめるようにしていきましょう。
6年生の冬頃には、子どもが授業を受けて、復習して、問題演習して、反復するという一連の流れをひとりで勉強できる状態になっているのが理想です。
▶【次回】「中学受験は親の受験」親がやってはいけないNG行為とは?
<第9回に続く>