カップ麺を“定価の4倍”の値段で売れる場所ってどこ?
公開日:2024/5/2
「あれだけ流行ったタピオカ屋はどこへ行ったんだろう?」
「餃子の無人販売ってなんで儲かるんだろう?」
ふと、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
皆さんの日常の半径10メートル以内にも、実は知られざる“儲けの仕組み”が存在します。
『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』は、開設わずか1年で登録者数約50万人超の税理士YouTuber脱・税理士スガワラ君による、ビジネス成功のヒントがギュっと詰まった一冊。
ビジネスの裏側を見てきた有名税理士が、今日から始められる商売のカラクリを解説します!
※本記事は書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(菅原由一/KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
3-3 カップ麺を定価の4倍の値段で売れる場所はどこか?
▶ 場所が変われば価格は変わる
高く売るための方法として、売り場所を変えてみることも有効な方法です。その例は富士山から学ぶことができます。
富士山は日本一高い山です。また、標高が日本一であるだけでなく、物価も日本一といえるくらい高い場所です。
例えば、街中の自動販売機で100円ちょっとで売っている缶ジュースは、山頂では500円で売られています。200円くらいのカップ麺は800円で売られています。
値段が跳ね上がる理由は、商品を山頂に運んだり、山頂の店舗を運営したりするためのコストがかかっているからです。また、山頂は店舗が少ないブルーオーシャン(山ですが)で、価格競争が起きにくいことも一因です。
この例で重要なのは、場所や環境が変われば価格が変わること、そして、場所や環境次第では高くても買う人がいるということです。
私たちの頭の中には「ジュースは100円ちょっと」という値頃感があります。売り手としては「100円くらいに価格設定しないと売れない」という思い込みがあります。
既存の市場で売る場合には100円ちょっとが適正です。
重要なのは、高く売れる市場を見つけることで、その結果、収益が大きく伸びるのです。
▶ 貴重な体験は高くても売れる
もう1つ重要なのは、山頂で食べるカップ麺は体験価値(カスタマーエクスペリエンス)が高いということです。体験価値は、その商品やサービスを知る、購入する、使うといった一連のプロセスを通じて得られる体験の価値を指します。
カップ麺の場合、物理的な価値は200円くらいです。その価値を800円で得られるならば安いと判断する人が多いため、山頂では800円でもカップ麺が売れます。
経営目線で見ると、街中で100円ちょっとのものが倍の値段で売れる場所を探すこと、そして、2倍でも3倍でも消費者が納得できる体験を付加することが利益倍増のポイントということです。