「疲れた!もうダメ!」という時のお助けレシピ。ワンパンで出来る「簡単ミートソースごはん」【つくってみた】
公開日:2024/5/8
ブログやInstagramで日々のレシピを配信し、雑誌やテレビでも活躍している料理研究家のMizukiさん。このたび、新しく刊行されたのは『「簡単・時短・節約」を楽しく、おいしくMizuki’s Kitchen』(Gakken)。テーマは、“忙しい! 疲れた! もうダメだ! さて、なに食べる!?”。まさにうちのことだ…と感じた人も少なくないのでは?
手間と洗い物が激減!「ワンパンレシピ」をワンプレートで
“ダメだ~~~”という時のための3つの切り札レシピ。1つ目は、「ワンパンレシピ」です。具材を炒め、味つけをして、汁気を加えて煮込む…という流れは基本的に同じ。ワンパンで洗い物が少ないのはもちろん、基本の流れを覚えることで、「調理の工程を追う」という疲れた時こそつらい作業が大幅にカットされそう。
今回は「簡単ミートソースごはん」に挑戦。ミートソースといえばパスタだけど、ごはんにかけても美味しいのだそう。ワンパンの中身は、合いびき肉・トマト・調味料を合わせたソース、ピザチーズ…以上。これらを順番にフライパンに入れて炒めるだけです。ポイントは、トマトをさっと炒めたあとに調味料で旨みをつけるから、煮込まなくても短時間でコクが出るということ。たしかに、具材を炒めている時間は10分足らずでした。
仕上がったのは華やかなビジュアルの一品。実食してみると、生のトマトを使っていて、ミートソースだけど汁気があってジューシー。トマトはさっと炒めただけなので爽やかさが残っているし、加熱しているから甘~い。ひき肉とチーズを合わせることでコクが加わり、しっかりと満腹感がありました。
嘘みたいに簡単で美味しい「おかずのもと」
「簡単・時短・節約」レシピとして2つ目に提案されているのは「おかずのもと」。食事のメインになりそうな肉や魚を保存袋にドーンと入れて、調味料を注ぎ、冷凍庫に保存。手順がものすごく簡単で、調理当日に家にある野菜を切って追加することもできるから、まさしく、おかずのもと。
どれも美味しそうで迷いましたが、今回は「さけのみりん漬け」をチョイス。料理を勉強中の筆者としては、魚の料理は塩焼きかソテーくらいしか思い浮かばないため、漬け焼きというレベルアップできそうなレシピに惹かれました。下味冷凍の作り方は、生ざけに塩をふって水けを拭き取ったあと、みりん・しょうゆ・白いりごまと一緒に保存袋に入れるだけ、と超簡単。10分かからず。
調理当日は解凍して焼くのみ。レシピ通り、縦に切り目を入れたししとうを添えました。さけは、みりんが入っているから少し焦げやすいのですが、少し焦げたくらいがまた美味しい。香りがよく、甘めの味付けでごはんが進む! ごまのプチプチ感も◎ 味がしっかりと染みていて、お店で売っているようなみりん漬けがこんなに簡単にできることに感動…。「うまっ!」と言いながら食べる家族に「嘘みたいだけど、私が作りました」と伝えると、「えっ嘘でしょ!?」と驚かれました。
レシピなしで簡単に作れる「感覚調理おかず」
3つ目の「簡単・時短・節約」メニューは、レシピなしで作れる「感覚調理おかず」。もう1品あるといいなという時、レシピなしでも感覚的に作れる料理として命名されたそう。量をはかることなく味つけをしても美味しく仕上がるし、自分好みの味付けにもできるという優れたおかずなのです。
この日に作ったのは3品。「ヤンニョムちくわチーズ」はどうしても作りたかった一皿。プロセスチーズを詰めたちくわを焼き、水・焼肉のたれ・ケチャップで味付け。そして、最後にあえるコチュジャンが味の決め手。驚くほど“ヤンニョム”に仕上がります。じつは、焼く時に片栗粉をまぶすのを忘れてしまったのですが(実際はもっとカリカリに仕上がるはず)、それでも美味しかったので紹介しました。
あとの2皿は、「きゅうりの塩昆布あえ」と「炒り卵サラダ」。きゅうりはごま油と塩昆布、白いりごまに、今回はおすすめの酢を加えてさっぱりと。ピリ辛好きにはラー油をかけるのがおすすめだそう。「炒り卵サラダ」はMizukiさんのお母様の十八番だとか。レシピではきゅうりが使われていますが、キャベツや缶詰のみかんでもいいと書かれていたので、冷蔵庫にあったレタスをイン。マヨネーズによって卵の甘さが引き出されるようで、マヨネーズ嫌いの息子がパクパクと食べました。
美味しさも簡単さもずば抜けたレシピ
Mizukiさんのレシピは、とにかく美味しい。また、こういう料理があるといいな、と思えるメニューが多く、それがわかりやすい素材で作りやすくアレンジされている印象でした。美味しさも簡単さもずば抜けていて、「美味しく作れると、料理って楽しくなるんだな」と感じ、「楽しく、おいしく」というシンプルなレシピ本のタイトルにすごく納得しています。
本書には、Mizukiさんが引っ越したばかりだという新キッチンの間取り図や写真も公開されており、「ゴミ箱を近くに置く」「動線を短くする」など、家のキッチンを素敵空間に変えられるヒントも満載。もっと居心地のいいキッチンで毎日の料理を楽しみたい、という人も必読です。
文・写真=吉田あき