結局、投資ってどうなの? はじめた方がいいの? クイズ形式で優しく解説する、超初心者のための投資入門
PR 公開日:2024/6/12
昨今、投資への関心が高まっている。日本経済の低迷が叫ばれ、将来的な経済不安を気にする声が多い。2024年に制度変更した少額投資非課税制度「新NISA」や、個人型確定拠出年金「iDeCo」が注目を集めているのも、そうした背景が影響しているからだ。
しかし、いざ投資を始めようと思ってもハードルが高い印象もある。1級FP技能士などを取得、マネー教育に尽力する著者・鈴木さや子氏の『18歳からはじめる投資の学校 解きながら身につける!知っておきたい投資の基本&お金の常識』(翔永社)は、投資に関連したクイズも楽しい投資入門書だ。人生の選択肢を広げられる、投資の何たるかをゼロから学ぶことができる。
60歳までの積立投資、「20歳から1万円」と「40歳から2万円」で違いは?
就職、結婚、出産など、自身のライフイベントを具体的に想像するのが投資の出発点となる。本書では、人生設計を考えるために使えるライフイベント表のひな形が掲載されているので活用してみよう。
ライフプランを立てたら、次は少額からでも投資をはじめる。なお世間では「若い頃からはじめた方がいい」という言葉を聞くがなぜだろうか? 本書に掲載されている下記のクイズにその答えがある。
Q:20~60歳まで毎月1万円を積立投資するのと、40~60歳まで毎月2万円を積立投資するのでは、どちらの方が資産を増やせる?(投資先と期待平均利回りは同等とする)
1:20〜60歳まで
2:40〜60歳まで
正解は1番。1番は「40年間で1万円ずつ」、2番は「20年間で2万円ずつ」で元本はどちらも計480万円のため結果は同じだと思えるが、60歳に達した時点で大きく異なる。
前提にある「平均利回り」が仮に「3%」だった場合、1番は60歳に達した時点での資産額が約926万円で元本の2倍近くになる。ところが、2番のケースで60歳に達した時点での資産額は約656万円となり、20年遅れて投資をはじめたことで約270万円もの差が生まれるのだ。
このようにイメージではなく数字での説明は説得力が大きい。なるべく若いうちからが良い、という理由はおわかりいただけたはずだ。
長期的な視点で少なくとも「手取り収入10%」が目安の貯蓄に加え、無理のない範囲での投資にも目を向けるのが理想だとか。知識がないため話題にしにくかったお金や投資について、本書をきっかけに親子で考える時間を作ってみてもいいかもしれない。
詐欺商品には注意! ローリスク・ハイリターンは存在しない
投資といっても、世の中には無数の金融商品がある。企業が発行する株式に投資する株式投資や、価値が変動する金のような現物を対象にした投資。将来的な解約返戻金の利ざやが期待できる保険など、種類は多種多様だ。
ただいずれにしても確実に利益を得られる保証はない。現実では「必ず儲かる」などとして射倖心を煽り、欲望につけ込む詐欺商品もはびこっているのは事実だ。
そんなものに騙されないためにはリスクとリターンの関係を意識しておく必要がある。リスクとは、プラスマイナス両面の可能性を持つ「将来の不確実性」を表した言葉で、本書では関連して、以下のクイズを出している。
Q:次の投資話を持ちかけられたとする。どちらの方が「リスク」が高いといえる?
100万円が
1:2分の1の確率で0円or200万円になる
2:3分の2の確率で0円、3分の1の確率で300万円になる
この問題で、より不確実性が高いのは2番だ。1番はリスクが少なく、利益が少ない。一方、2番はリターンが多いが、リスクとして元本を失う可能性も1番より高い。
本書いわく、ローリスク・ハイリターンの商品は存在しない。いわば損なしでお金が増える商品はなく、自身で運用効率を判断する意識が必須になる。
タイトルに「18歳から」とある本書は、幅広い年齢層に向けて投資をゼロから学びたい人に役立つ入門書である。注目されている「新NISA」や「iDeCo」も分かりやすく解説しており、日々お金についてなんとなく抱いている疑問から不安まで、それらへの答えやヒントを提示してくれるはずだ。
文=カネコシュウヘイ