日常の悩みの原因は「もうひとりの自分」があなたを守ろうとするがゆえに起こしていた。3つの療法を柱にする著者が執筆した、やさしいカウンセリング本
PR 公開日:2024/6/20
“あなたを癒せるのは、あなただけ。悩みのすべては心に住む「もうひとりの自分」が引き起こしていた”。心理カウンセラーであり、公認心理師である、橋本翔太さんのセルフ・カウンセリング本『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(サンマーク出版)は、こんな印象的な言葉から始まる。
人間関係や仕事、お金、家族、自分の性格。わたしたちが日常生活で感じている悩みの多くは、実は「もうひとりの自分」が自分の心を守るために、無意識のうちに引き起こしているものであり、著者の橋本さんは「もうひとりの自分」は「心の防衛機能」であるとして、「ナイト(騎士)くん」と、やさしく親しみやすい響きで名づけている。
本書は“あなたを守ろうとしてあなたの心が生み出した、もうひとりのあなた”=ナイトくんとの対話を通して自分自身への理解を深めていく、わたしが「わたし」を助ける物語だ。抱えている悩みや問題の本当の姿、生きづらさに隠された真実、心の仕組みを解き明かして、どのように解決していけば自分の未来がよくなっていくのかが、読みやすい一人称で綴られている。
心理療法・栄養療法・音楽療法の3つを柱に活動する著者が、その臨床経験から何より大切にしてきたのは、相談者自身が自立することと、自己理解を促進させることで、人がもともと備えている自分自身を助ける力を取り戻し、今抱えている課題や問題を自分で解決できるようなサポートを届けること。
そんな想いから、執筆に2年を費やし丁寧に制作を進めてきた著者が最も留意したのは、“読む人が受け取りやすくなるように丁寧に差し出すこと”だったという。なぜなら、悩みの渦中にある人は誰でも“こんなに頑張っているのに苦しい。なんとかしたい。でも人からとやかく言われたくない”“悩んでいるけど、これまで培って来た自分自身のことも尊重してほしい”という複雑な心理をもっており、最終的には自分で気づいて自分で納得したものしか受け取ることができない。サポーティブなメッセージほど“自分には必要ない”と跳ねのけられてしまう場合もある。そんな自身の経験から、著者は非常に奥深い内容を慎重に丁寧に吟味して、シンプルでわかりやすく伝える本書を編みあげた。
たとえば書籍を開いたときの見開きには、1行目にどのような言葉を置くのかまでこだわって紙面が構成されている。言葉が目から入るトゲとなってしまわないように、何度も推敲して文末の“ですます”まで工夫したという穏やかな文章は目にも心にもやさしく、書かれている内容がすっと心に入ってくる。丁寧に何度も読むことで自分への理解が深まるようにつくられているので、やわらかな語り口を味わいながら、くり返し読んでみるのがよいかもしれない。
また本書はセルフ・カウンセリング本と銘打たれてありながら、悩みや問題の解決だけでなく、夢をかなえたり自己実現に導く効果ももっていたりするのだそう。この本を読み、“自分の中の問題は実は自分の味方だったと気づくだけでも、あなたをとりまく事態は少しずつ好転してゆく”のだという。
本書のエピローグに添えられた、著者の言葉が印象的だ。
最後に、忘れないでほしいことがひとつあります。
どんなに苦しい日も、つらい日も、何もかも投げ出したい日も、誰にもわかってもらえずに孤独に泣いた夜も、夢に向かってがんばり続ける毎日も、あなたの側(そば)を片時も離れず、あなたを守ろうといつも必死でがんばってくれていた人がいます。
あなたのことを誰よりも大切に思い、心配し、あなたのことを誰よりも理解している人がいます。
それはあなた自身です。
(『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』より)
心に灯りがともるような言葉が詰まったこの本は、今あなたにとって必要なものかもしれない。
文=タニハタ マユミ