信じた夫は嘘だらけだった…夫のDV・浮気から抜け出そうとする主人公に勇気をもらえる物語
公開日:2024/7/11
一度離婚を経験したことがある人の中には、「次こそ幸せになりたい」と思って再婚する人もいるだろう。しかし、慎重になっていても、相手の本質を見抜くことは難しい。世の中には付き合っている間は良い人であっても、入籍や妊娠のタイミングで豹変する人もいる。
『信じた夫は嘘だらけ 浮気・ワンオペ・DV…地獄の結婚生活を終わらせます』(3cha/KADOKAWA)は、再婚した主人公の地獄の結婚生活がかわいらしい絵柄で描かれた作品だ。ボロボロになりながらも子どものために強くなる母の姿を見ると、勇気をもらえるだろう。
本作の主人公・えりは、再婚して1年の専業主婦。現在の夫・ゆうきは、出会ったころは明るくて一緒にいると楽しくて優しい人だった。しかし、結婚してから態度が急変し、毎月生活費を3万円しかくれない経済DV夫になってしまう。えりからの生活費の相談を一蹴するばかりか、えりや元夫との娘・ひまりのことを「金食い虫ども」といって怒鳴りつけてくる。もうこの時点で離婚を勧めたくて仕方がないのだが、妊娠して仕事を辞めてしまったえりにとって離婚は現実的な選択ではなかった。
前回の結婚を「失敗」だと感じていたえりは、ゆうきと結婚する前にしっかり人となりを見極めていたはずだった。しかし、ゆうきはえりが仕事を退職してから豹変してしまったのだ。お腹の中で子どもを育てている妻に対して「役立たず」と見下すようになっていく。客観的に見ても最低な夫にも関わらず、えりは子どもが生まれたら元の明るく優しい彼に戻ってくれると信じていた。
しかし、えりの信用はゆうきの裏切りによって壊されることになる。ここまで妻に節約を求めてくるのに、ゆうきの貯金はたった1万円だったのだ。寝不足にストレス、栄養失調で倒れてしまったことで実家に帰ることになり、えりはゆうきと離婚しようとする。
離婚を拒否するときだけはまともな人間を装うゆうきの策略で、離婚に失敗したえり。さらには、ゆうきの元カノとの浮気が発覚し、その事実を問い詰めたことで、ゆうきから直接的な暴力を振るわれるようになってしまう。
一度暴力を振るったゆうきは、タガが外れたかのように常態的にえりに暴力を振るうように。DVでボロボロにされても「誰かに相談すると自分も子どもも殺されてしまうかもしれない」と怯え、えりは誰にも助けを求められなかった。
しかし、自分だけでなく娘にも暴言を吐く姿を見て、ついに「逃げるしかない」と行動を起こす。絶対に自分の力で逃げ出してやると誓ったえりは、ゆうきからのDVの記録をつけつつ、認可外の保育園に子どもを預けて仕事をはじめる。どんなに辛い状況でも諦めず子どもを守ろうとする母の姿に、勇気をもらえるだろう。精いっぱいの努力でゆうきより高い給料を稼げるようになり離婚しようと動きだすも、ゆうきは離婚なんかしないとダダをこねてきて——。
離婚を認めないゆうきの悪意のある行動によって、えりはここからますます追い詰められていく。だが、子どもを守ると決意した母は強いのだ。どんなに辛い目にあっても、ゆうきとの離婚に向けて突き進んでいく。
えりは無事にゆうきと離婚できるのか、そしてその先の未来で幸せになれるのか——。えりの歩む物語を、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。