ゲームばかりで子育てする気ゼロな夫。失望していた時に出会ったのは、問題パパをしつけてくれる“伝説のベビーシッター”!?
PR 公開日:2024/6/18
子どもが産まれて、これからは家族3人の生活が始まる……なんてウキウキしていたはずなのに、いざ生活が始まると夫が役に立たない! という展開は、多くの家庭が経験しているのではないでしょうか。かくいう我が家も長男が産まれたばかりの時、日々募っていた夫へのイライラがふとしたきっかけで爆発。夫婦生活最大の喧嘩に発展した記憶があります。我が家はそれをきっかけに前進しましたが、なかには妻が何を言っても聞き入れない「大きい子ども」状態のパパも。そんなパパに活を入れてくれるマンガが『ファザーシッター ~問題パパのしつけ承ります~』(メカわんこ/DPNブックス)です。
本書は主人公が変わるオムニバス形式。困った夫に悩む妻を「伝説のベビーシッター」が救ってくれる、スカッと系ストーリーです。
第一話の主人公は春美。娘・美由と夫・鷹史の3人で暮らしています。美由はまだ8ヶ月。夜泣きもひどく、春美は心身ともに休まらない毎日の真っただ中です。
鷹史はいつも携帯ゲームに夢中。おむつもろくに替えたことがないし、家事もしない。もちろん夜泣き対応をしたこともありません。その上春美の顔色が悪いことに気づいても「移さないでよー? こっちは仕事あるんだから」と一言。
挙句の果てに休日にひとりでゲームイベントに行くと言い出す鷹史。彼の家族への無関心さに打ちのめされ、その上熱が出ていることにも気づき限界を感じる春美。すると友人から「伝説のベビーシッターがいる」と教えてもらい、予約してみることに。
そこで現れたのが男性ベビーシッター・柏木です。
大人にも指人形を介して語りかける柏木に、出掛ける直前で家にいた鷹史は嫌悪感を露にします。一方柏木はそんな鷹史を気にせず、春美に休むように伝え淡々と業務を開始。
おむつの場所もわからない、洗濯もできない鷹史を見て事態を把握します。「どうしてママがボクたちに助けを求めてきたのかわかってないんだね……」と指人形を通して指摘する柏木。さらに少し家事をやっただけで「これじゃ休日も仕事状態じゃねーか」と愚痴り出す鷹史に、ビシッと物申します。
図星すぎてぐうの音も出ない鷹史。その日を境におむつを替えるようになるなど、少しですが良い方向に変化していきました。しかし鷹史にはさらなる問題点が……。
タイトルにもあるように、柏木は子どもだけでなく問題のあるパパたちの面倒もみてくれるベビーシッター。問題があることにも気づいていない彼らに、行動を振り返るきっかけをくれます。
本書に登場するパパは、問題はあるものの本来は家族を愛している夫。パパは家族のことを大事にしているつもりでも、ママにはそう感じられない。よく言われる「ママは子どもが生まれた時からママだけど、パパはまだパパになってない」状態に陥っているのです。そんなよくいるパパ、よくいる夫婦のお話なので共感性が高いのが本書の魅力。夫に対するイライラ・モヤモヤを募らせる主人公がまるで実際のママ友であるかのように思えてきて、柏木がパパに物申しているシーンは本当にスカッとします。
しかしこんなにママの気持ちを理解して代弁してくれる柏木は一体何者なのか? 新たな問題パパを成敗してくれる展開を期待しつつ、彼の正体が明かされる日も楽しみに待ちたいと思います。
文=原智香