転ぶ数と起き上がる数が違うのはなぜ?「七転び八起き」“起き”が1つ多い理由/ことわざびっくり事典①
公開日:2024/6/13
『わらえる!? つかえる!! ことわざびっくり事典』(こざきゆう:文、伊藤ハムスター:絵、金田一秀穂:監修/ポプラ社)第1回【全5回】
勇気をくれることわざ、笑えることわざ、ちょっぴりこわいことわざ…人生の知恵や教訓がつまったことわざを、イラストともにわかりやすく学べる一冊です。私たちが日常でよく使うことわざのいわれや使い方などの解説はもちろん、世界のことわざを紹介するコラムも楽しい『わらえる!? つかえる!! ことわざびっくり事典』。その一部をお届けします!
えんぎ物のだるまをもとにして作られたとされる、起き上がり小法師。転ばせても、体をグリンと起き上がらせ、元の姿勢にもどる。福島県会津地方の張り子細工だ。
この起き上がり小法師の、何度でも起き上がる姿は、「七転び八起き」の心を表しているという。何度も失敗しても、決してくじけることなく、がんばるという意味があるんだ。
「おや? 7回転んでそのたびに起き上がるんだから、7起きじゃね?1起き多くね?」
なんて疑問に思ったきみ、いいところに気づいたね。じつはこれ、人生は生まれたての赤ちゃんから始まることを意味しているのだとか。つまり、赤ちゃんは寝転がっているけど、自分の力で起き上がるでしょ。人生はそこから始まるのだ、と。
また、七、八は、数じゃなく、回数が多いことを表しているとも。
決して昔の人が数えまちがえの失敗をしたわけじゃないんだ。
ついでに「七転び八起き」と似た意味のことばを見てみよう。
「失敗は成功のもと」は、失敗が今度は成功につながるという意味だ。
また、「禍い転じて福となす」は、悪いことがいいことに結びつくという意味だよ。