転ぶ数と起き上がる数が違うのはなぜ?「七転び八起き」“起き”が1つ多い理由/ことわざびっくり事典①
公開日:2024/6/13
「弘法」とは平安時代の僧侶で、書の名人でもあった「弘法大師・空海」のこと。
空海は、都である平安京の「応天門」という門にかかげる額を書いた。ところが、門にかざられた額を見て、びっくり。なんと、応天門の「應(応の昔の字)」の上にある点を書き忘れていたのだ。
え? じゃあ額の字はまちがえたままにしたのかって? いやいや、そこはさすがの空海。話には続きがある。額は高いところに取りつけられていたので、下ろせない。そこで、額に向けて筆を「えいやっ」と投げ、点を打ったそうだ。わりと思い切りがいいのね。
とまあ、このエピソードから、どんな名人でも失敗することはあるって意味で、このことわざができた。
似た意味のことばをみてみよう。まず、泳ぎのじょうずな妖怪のかっぱでも、油断して川に流されるという「かっぱの川流れ」。それに、木登りじょうずな猿でも、うっかり木から落ちることがあるという「猿も木から落ちる」、とかね。
ほかにも「じょうずの手から水がもれる」とか「千里の馬もけつまづく」とか、名人でもミスしちゃう系のことわざは、めちゃ多いのだ。