青春×恋愛×謎解き×冒険… さまざまな要素が詰まった唯一無二のミステリー小説『夏休みの空欄探し』が文庫版に!

文芸・カルチャー

公開日:2024/6/28

夏休みの空欄探し
夏休みの空欄探し』(似鳥鶏/ポプラ社)

 人気推理作家・似鳥鶏が2022年に手掛け、注目を集めたミステリー小説『夏休みの空欄探し』。その文庫版が、2024年6月5日(水)に発売された。

 似鳥といえば、これまでに「市立高校」シリーズや『戦力外捜査官』シリーズを始めとする数々の名作推理小説を執筆。2022年に発売された『夏休みの空欄探し』は謎解きに挑む4人の少年少女を描いた青春恋愛ミステリーで、プルーフ配布後、各書店から注文が殺到し、発売前に緊急で部数が大幅アップされたことが話題を呼んでいた。

 物語の語り手となるのは、会員が2名しかいないクイズ・パズル研究同好会会長にして、クラス内で“じゃない方”と呼ばれている高校2年生・成田頼伸(ライ)。“じゃない方”と呼ばれている理由は、ライと同じ姓を持ち、ダンス同好会に所属する人気者・成田清春(キヨ)がいるためで、クラスでの立ち位置も対照的な2人は普段あまり交わることがない関係性だった。

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 そんな2人が急接近するきっかけとなったのは、ある夏休みのこと。読書のためにファストフード店へ立ち寄ったライは、そこで謎解きに挑む立原姉妹と出会う。なんでも古本屋で見つけた本の間に謎の暗号が書かれた紙が挟まっていたらしく、これをライがすんなり解いて見せたことで彼女たちの謎解きに協力することになる。

 さらに暗号が指し示す場所へ向かった先で、今度はキヨと遭遇。ライから事情を聞いた彼もまた、成り行きで協力することになり、ここから謎解きに振り回される少年少女たちの大冒険が幕を開ける――。

 同書は本格的な謎解きが楽しめる暗号ミステリーである反面、高校生たちのみずみずしいひと夏を描いた青春譚としても楽しめる一冊。そして冒険の先には切なくも温かい、驚きの結末が待っており、2022年発売当時のネット上には「読了後、タイトルに納得! 爽やかな読後感の一冊でした」「すべての謎が明らかになった時は悲しさが込み上げてきたのに、読了後はくすぐったさと爽やかな気持ちでいっぱいになった」「“じゃない方”のライと人気者のキヨが少しずつかけがえのない友人になっていく過程が素晴らしい。暗号も絶妙でおもしろかった」「夏にぴったりのエモーショナルな冒険書」といった絶賛の声が数多く寄せられていた。

 果たして謎の暗号は、ライたちをどこへ導くのか。そしてその果てに待つものとは……。まだ読んだことのない人は、これを機に文庫版をチェックしてみてはいかがだろうか。

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