手の届く範囲の欲はどんどん満たそう!目移りする地下街、よくばりな楽しみ方【作者インタビュー】
公開日:2024/6/25
日常の何気ない風景のなかにも喜びや驚き、発見がある。『アラフォーまきこのごゆるり家事』は、家事や育児など日々の暮らしを漫画にしたコミックエッセイだ。著者は、日雇いの仕事をしながらX(旧Twitter)やInstagramなどで漫画を発信する柿ノ種まきこさん(@kakinotane_m)。読む人をやさしい気持ちにさせる、オフビートでゆるい空気感で人気を呼んでいる。
第3話は、美術館へ行ったある日の話。鑑賞後におなかがすいた柿ノ種さん親子がとった行動とは。
母親が美大生だったこともあり、幼いころから美術館によく連れて行ってもらったという柿ノ種さん。その影響もあって、自身も美術大学に進学した。大人になった今でも、母親と一緒に美術館によく行っているという。
作中では鑑賞を終えた柿ノ種さん親子が、空腹を感じて食品店が並ぶ地下街へと入る様子が描かれている。
「実は美術鑑賞って体力を使うことだと思います。美術館は自宅から遠いところにあったりするし、建物も広いので結構歩き回るし。鑑賞中は頭をフル回転させて意図を想像したりするので、鑑賞後はへとへとになっているんですよね」
柿ノ種さん親子は、地下街で肉まんやサラダ、パンなど、食べたいものを少量ずつ購入する「食べたいもの全部買い」をすることに。それまでは「少量を注文すると迷惑になるのでは」と思って遠慮していたが、「少量からOK」と書いてある貼り紙にあと押しされた。
「おいしいものをあきらめずに、いろいろ食べることができたので、もっと早くやればよかったです。店員さんも快く対応してくださりました。混雑する時間帯を避ければ『食べたいもの全部買い』おすすめです。こんなご時世だからこそ、手の届く範囲の欲ならどんどん満たしていくのがいいと思います」
今回はセリフが少なく、淡々とストーリーが進んだが、柿ノ種さんの表情から気持ちの変化がしっかりと伝わってくる。
「美術鑑賞をしていて、ひとつでも心がときめく作品に出合えると幸せな気持ちになります。でも、毎回出合えるわけではないんですよね。同じ作品でも、自分の状況・心境などによって感じ方が変わりますし。今回は絵にときめいて見入ってしまう様子をまきこの表情だけで表現できればと思い、作画しました。ときめいている様子が伝わるとうれしいです」
日常を通して感じる何気ない喜びや驚きをつづった柿ノ種さんの作品。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■柿ノ種まきこ
Instagram:@kakinotane_makiko
X(旧Twitter):@kakinotane_m