鼻のガン、転移すれば眼球摘出の可能性も!? 親族の支えが大きな力に【作者インタビュー】
公開日:2024/7/19
夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』は、SNS上で大きな反響を呼んだ。そのリメイク版を、やよいかめさんのインタビューとともに紹介。第4話では、ガン治療のために大きな病院に転院し、主治医のK先生と対面する。
※本作で紹介している症状は、個人の体験談です。すべての人に当てはまるものではありません。症状に悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため閲覧にはご注意ください。
恐怖と不安のなかで親族の存在が支えに
――転院先の病院では、何を質問していいかわからないうちに初診が終わってしまったのですね。
具体的な治療の流れなどを聞けたらよかったのですが、実際は何を聞いたらいいかわからず呆然としていました。それでも、早く治療してもらえる病院を探すのが第一だということはわかりました。ただ、引越ししたばかりだったので、どこに病院があるのか、評判がどうなのかもわからず困りましたね。
――親族に医療従事者がいることは、とても心強かったのでは?
夫の親類縁者には医療関係の仕事についている人が多く、お義父さんは特に心配して毎回のように付き添ってくれました。これから受ける治療の内容や、その治療が一般的なのか、最先端なのかなどを説明してくれて、本当に心強かったです。お義父さんも義理のお兄さん、お姉さんも、お仕事の関係を駆使して情報を集めてくださり、今でも拝みたいレベルで感謝しています。
――先生から渡された資料には怖いことが書いていましたね。
資料はA4の紙で4、5ページ。専門医向けの資料なのかな?と感じたほど、内容も難しかったです。でも、不安だらけだったので、病院のお会計がすむまでに2回も読みました。一番怖かったのは、なんといっても転移の説明についてです。「鼻にできたガンは進行すると目や脳、リンパに転移する、手術の際は眼球を取り出してガン腫瘍を切除。眼球自体がガンに侵されたら義眼に変える必要がある」という内容で「脳や眼球にも転移するのー!?」と驚きました。漫画には描き切れなかったのですが、その資料を読んだお義父さんが主治医のK先生に「眼球を取ってまで手術することは、まれですよね?」と聞いたんです。K先生の答えは「結構よくありますよ」とのこと。私は恐怖で震えていましたね。
――レストランでの失態はとてもコミカルに描かれていました。
くしゃみを我慢するたびに、鼻の中で包帯がグイグイと下に降りてくる感覚があって、かなり焦りました。包帯が飛び出たときは、痛みよりむしろ「やってしまった!」という気持ちが強かったです。その後もボタボタ〜と血が止まらなくて、自分の体よりもお店のトイレを汚してしまったことで頭がいっぱいでした。「焦って空回りし過ぎやろ!」と、あのときの自分に突っ込んでやりたいです(笑)
今後はさらに綿密な治療計画が組まれ、本格的な闘病生活がスタートする。家族や周囲の人に支えられながら、ポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■やよいかめ
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