ガン闘病中、ウィッグの商品レビューに救われた。副作用に不安も「私だけじゃない」【作者インタビュー】
公開日:2024/7/20
夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』は、SNS上で大きな反響を呼んだ。そのリメイク版を、やよいかめさんのインタビューとともに紹介。第5話では入院の準備や抗ガン剤治療に対する不安などを描いた。
※本作で紹介している症状は、個人の体験談です。すべての人に当てはまるものではありません。症状に悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため閲覧にはご注意ください。
若いガン患者の声、ガンの漫画を描くきっかけに
――ガンの治療で特に不安だったことは?
腫瘍ができた場所が鼻だったので、手術で顔が変わってしまうことが、とにかく怖くて不安でした。鼻がそげてなくなったらどうしよう…と。でも、どんな顔になってもできることはある!顔が変わっても生き抜こう!と決意をして治療と向き合いました。とはいえ、術後に元の顔に戻れるかどうか心配で、顔を復元する整形について調べていました。
――通販サイトのレビューで見かけたガン患者の体験談に、勇気づけられるシーンが印象的でした。
私が見たのは「抗ガン剤治療で髪の毛が抜けてしまったので、こちらのウィッグを買いました。自然なつけ心地でよかったですよ」といった書き込みでした。ただそれだけの、なんてことのないひと言だったのですが、「自分と一緒だ!」と思えて心がフッと軽くなりました。それまでは「自分だけが大変!」という思いが無意識にあったのかもしれません。若いガン患者さんの意見を聞いてうれしいと感じた経験が、ガンの漫画を描くきっかけのひとつになっています。
――ガンの告知をしてから、お子さんに変化はありましたか。
子どもたちは、いつもどおり元気でした(笑)。逆に「ママ、ガンなんですけど?」って何度か申告したくらい。「ママが入院する前にしっかり甘えとくね」という、ちゃっかりさんたちでした。まだ幼かったし、ガンについてよく理解できていなかったのではないでしょうか。数年後に『はたらく細胞』のガン腫瘍の回を見て、「ママって、ヤバかったんやなぁ」と言っていました。
次回はガン病棟での入院生活が始まる。家族や周囲に支えられながらポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■やよいかめ
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