「なんでいつも明るいの?」ガンを患った母、絶対に生きるという覚悟【作者インタビュー】
公開日:2024/7/23
夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』は、SNS上で大きな反響を呼んだ。そのリメイク版を、やよいかめさんのインタビューとともに紹介。第8話では、同じようにガンで入院している患者たちが、お互いを励まし合う様子を描く。
※本作で紹介している症状は、個人の体験談です。すべての人に当てはまるものではありません。症状に悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため閲覧にはご注意ください。
手術の傷口、思ったよりも小さくて安心
――ご家族の方は、よくお見舞いに来ていたのですか。
週末はできる限りお見舞いに来てくれていました。売店の前にあるテーブルで、みんなでアイスクリームを食べるのが定番でした。また毎晩10分程度、公衆電話から家に電話をかけて子どもたちとコミュニケーションをとっていました。「おやすみ」と言えただけの日もありましたが、今思い返すとよかったなぁと思います。
――実際に手術の傷口を見せてもらい、不安が和らぎましたか。
鼻の横を切ると伺っていたので、顔の中心付近に大きな傷痕が残るのだと思っていました。傷口を見せてもらうと想像していたよりも小さく、コンシーラーなどを使用すれば化粧でごまかせる程度だったので、ものすごく安心しました。「顔が変わっても仕方がない」と覚悟していましたが、傷が残らないに越したことはないので、ホッとしました。
患者さん同士の交流、適度な距離感が大切
――今回は同じ病棟の患者さんとの交流が描かれていました。
同じようにガンを患った人たちですが、仲よくなっても踏み込んではいけないラインを気をつけてお話ししているなぁと感じることが多かったです。調子が悪そうなときは、あえて声をかけないようにしてくれたり、大人だなと思いました。具合が悪くなったり、退院したりするタイミングは人によって違います。私は正直に言って、ほかの患者さんがうらやましいと思ったことが何回かありました。だからこそみんな、仲よくなりすぎないように意識している部分もあるのではないでしょうか。自分を守るためにも患者同士の距離感をうまくとる必要があると思います。
次回は最初の抗ガン剤投与。家族や周囲に支えられながらポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■やよいかめ
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