深夜に病室で嘔吐、原因は抗ガン剤の副作用じゃなかった…なぜか皮膚科医が病室に【作者インタビュー】
公開日:2024/7/26
夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』は、SNS上で大きな反響を呼んだ。そのリメイク版を、やよいかめさんのインタビューとともに紹介。第11話では、抗ガン剤を投与した日の夜に、嘔吐した原因が判明する。
※本作で紹介している症状は、個人の体験談です。すべての人に当てはまるものではありません。症状に悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため閲覧にはご注意ください。
関わった医療従事者一人ひとりに感謝
――体の不調はどのぐらい続いたのでしょうか?
カテーテル手術の翌日に吐き気は治りましたが、気分の悪さは続いていたので、スポーツ飲料とおかゆをほんの少ししか食べることができませんでした。右腕の止血帯の締め付けが、気持ち悪さと相まって苦痛だったので、翌日に止血帯を取ってもらったときの解放感は半端なかったです。2日目からは病院食を麺に変えてもらい、少しずつ食べられるように。3日目にはほとんど治まって、食欲も徐々に戻ってきたので通常の病院食に戻してもらいました。
――嘔吐はアレルギーによるものだったのですね。
動注化学療法(カテーテルでガン腫瘍の近くで抗ガン剤を流す方法)は副作用が少ないと聞いていたので、先生が病室に説明に来てくれるまで「なんで?」という気持ちでいっぱいでした。結局、嘔吐の原因は抗ガン剤ではなく、手術の際に使った造影剤によるヨードアレルギーとわかりました。私はヨードアレルギー体質だったようです。
――抗ガン剤治療を始めてからヨードアレルギーだとわかったのですか?
主治医と薬剤師さんには、以前造影剤を使用したときに、蕁麻疹が出たことを伝えていました。だからアレルギーを抑えるお薬も一緒に投与してくださったのですが、それでも出てしまったようです。アレルギーは回数を重ねるごとに症状がひどくなるそうです。この方法で抗ガン剤投与を行わないと言われたときは、治療方法が変わることに対してとても不安になりました。でもその後も主治医の先生がわかりやすく説明してくださり、なるほどと思えるようになりました。
――作中では看護師の方の献身的な姿が描かれていました。
本当にありがたかったです。深夜にこんなことをさせてしまった上に、体が思うように動かせなかったので、申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。ガン治療では、医師や看護師、放射線技師、医療事務、栄養士などたくさんの医療従事者の方と関わり、たくさんの方が病気を治すために一生懸命働いてくださっていることを知りました。その一人ひとりの方にとても感謝しています。今こうやって家族と一緒にいられるのも、漫画を描いていられるのも、あのとき出会った医療従事者のみなさんのおかげです。
嘔吐の原因がアレルギーだとわかり、もやもやが晴れたやよいかめさん。だが、またも予想外の事態に見舞われる…。家族や周囲に支えられながらポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■やよいかめ
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