抗ガン剤治療をやめるという選択…晴れやかな笑顔に感じた彼女の「覚悟」【作者インタビュー】
公開日:2024/7/28

夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』は、SNS上で大きな反響を呼んだ。そのリメイク版を、やよいかめさんのインタビューとともに紹介。第13話では同じ病棟の患者だったUさんのエピソード。明るい表情を見せるUさんだったが、その裏である決意をしていた。


※本作で紹介している症状は、個人の体験談です。すべての人に当てはまるものではありません。症状に悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため閲覧にはご注意ください。




























覚悟の選択に「心配の言葉をのんだ」
――今回は入院中に出会ったUさんのエピソードでした。
Uさんとの会話はインパクトがあったので、よく覚えています。それまでは少しずつ髪の毛が抜けるようなイメージだったのですが、Uさんはいっきにガツンと抜けたそうなので、話を聞いて脱毛に対する心構えができました。私が「心しておきます!」と言うと、Uさんは笑ってうなずいていました。
――Uさんとは、ほかにどのような会話をしましたか。
じっくりと話すことはありませんでしたが、お見舞いに来ていた旦那さんがものすごく背が高かったので、「スポーツされていたんですか?」という話から始まり、昔やっていた部活の話で少し盛り上がりました。
――Uさんが退院を決意すると知ったとき、どう思われましたか。
とにかく心配でした。私のおばが、ガンを患って自宅療養をしていたので、退院してから起こるどれもこれもが、患者と家族の負担として少しずつ蓄積されていくことを知っていたからです。
――退院を明かしたときのUさんはどんな様子でしたか。
覚悟を決めて退院という選択をしたのだと感じました。きっとどんなに大変でも、家族と一緒に過ごせる時間が大切なんだなと。だったら余計なことは言わずに、気持ちよく送り出してあげるのがいいと思って、心配の言葉はのみ込んでUさんの退院を喜びました。
家族や周囲に支えられながらポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■やよいかめ
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