ガン治療で入院中、子どもの漢字再テストが判明…母はどうする?【作者インタビュー】
公開日:2024/7/29

夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』は、SNS上で大きな反響を呼んだ。そのリメイク版を、やよいかめさんのインタビューとともに紹介。第14話では、2度目の抗ガン剤治療のこと、そして主治医の先生や家族とのふれあいを描いた。


※本作で紹介している症状は、個人の体験談です。すべての人に当てはまるものではありません。症状に悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため閲覧にはご注意ください。


























引っ越し直後の入院、子どもたちは転校したばかりで…
――旦那さんはかなりお疲れのようでしたね。
一生懸命ご飯を作ったのに、子どもたちが全然食べないということがしばしばあって、夫はショックだったようです。夫は家事の中では料理が苦手な上に、子どもたちにしっかり食べさせないといけないというプレッシャーもあったはずです。特に息子は、自分がおいしいと思わないと食べないし、外食でも食べないという状況だったようで、応援に駆けつけてくれた母たちも困惑。結果、息子は貧血気味になってしまい、私が退院したあと病院のお世話になりました。
――作中ではお子さんの学校生活への不安も描かれていました。
私が入院したのは引っ越しの直後でした。できる限り新しい学校の準備をしてから入院しましたが、「子どもたちが学校でいじめられたらどうしよう」という不安が、頭の中をぐるぐると巡っていました。何かトラブルがあっても、私はすぐに対応できません。周囲に信頼できる人もいないし、地域差もよくわからない。それでも、できるだけ子どもたちが学校生活を楽しめるように、努力しているつもりでした。しかし娘から漢字テストの結果を聞いて「勉強のことまで頭が回らなかったな」と反省したんです。
――それで抗ガン剤治療の直前でも勉強面のサポートをされたんですね。
勉強ができないから授業がつまらない、学校に行きたくないと感じる前に、できることをしようと考えた結果が「ママ塾」でした。漫画の中ではすべてを描ききれませんでしたが、「無理しない程度」ということで、事前に病院から許可はいただいていました。久しぶりに娘と息子の勉強を見て、話を聞いて、そこから学校の様子もうかがうことができたので、私にとっても「ママ塾」は勉強になりました。
――主治医のK先生に関する描写もありました。最初のころと比べてイメージは変わりましたか。
最初はあまりしゃべらないし、顔が怖いし(ごめんなさい)、何回も鼻に麻酔をかけられるし…と恐怖心を抱いていたのですが、診察を通して先生の人となりが少しずつ見えてくると、「すごくいい人やなぁ」と感じるようになりました。治療の際は、ガンについて患者に伝え過ぎて不安にさせたり、逆に楽観的なことを話してぬか喜びさせたりしないように、努めて冷静に接してくださっていたのだと思います。
家族や周囲に支えられながらポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■やよいかめ
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