ガン治療は“やり直しできない”選択の連続。2児の母が闘病して感じたこと【作者インタビュー】
公開日:2024/7/30

夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』は、SNS上で大きな反響を呼んだ。そのリメイク版を、やよいかめさんのインタビューとともに紹介。第15話では2度目の抗ガン剤投与のこと、さらに治療の選択についてやよいかめさんの考えを描いた。


※本作で紹介している症状は、個人の体験談です。すべての人に当てはまるものではありません。症状に悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため閲覧にはご注意ください。


























病院に行くことを怖がらないで
――今回は、治療の選択について振り返っていました。やよいかめさん自身は、治療を選ぶ際にどのように考えていましたか。
主治医からは、まずは基本的な治療でやってみましょうという説明を受けて、納得していました。私は父もおばも、ガンで亡くしています。2人とも抗ガン剤と放射線治療をしていたのですが、最終的には全身に転移してしまいました。それでも抗ガン剤と放射線治療をやろうとすぐに思えたのは、自分のガンはまだ初期段階で、医師の説明を受けて「これが最善だ」と思えたからです。
――一時退院中は、普段通りの生活を送っていたのでしょうか。
放射線治療の後遺症かもしれませんが、退院後は倦怠感がありました。食欲は少しずつ元に戻り、すぐに普通の食生活を送れるようになりました。こんなことを言うと、よくないかもしれませんが、鼻腔ガンの患者さんのため伝えておくと、ものすごく汚い色の鼻水がたくさん出ました。時間が経つにつれて量は減りましたが、今でも鼻の奥の方で固まっていることがあるので、鼻うがいは欠かせません。
――読者にメッセージをお願いします。
ガンのステージや体の状況によって、選べる治療は変わってきます。治療法が決まっても改善がみられず副作用で体も心もつらくなったり、正しい選択だったのかと疑問を抱いたりすることもあります。ガンが進行する前に、方針をスピーディーに選択しないといけないのは本当に大変。治療の途中で退院される方もいるという話を聞くと、切ない気持ちになります。10年前に比べれば、抗ガン剤の副作用もだいぶ緩和されてきています。また、多くの研究者の方が努力してくださっているおかげで、ガンは死んでしまう病気から、治せる病気へと変化してきています。だから、みなさんも病院に行くのを怖がらずに「ガンがなかったらラッキー!早く見つかったらラッキー!!」という気持ちで、検診に行ってもらいたいです。特に子育てで自分のことは一番後回しにするような人こそ、自分のことを大事にしてあげてほしいです。そして、1人でも多くの方が、ガンを克服されることを願っています。
家族や周囲に支えられながらポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■やよいかめ
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