看護師が「こっちの方言ってダサいですよね」。患者が返した言葉は?【作者インタビュー】
公開日:2024/7/31
夫と2人の子どもと、幸せに暮らしていた主婦のやよいかめさん(@yayoi_kame)。鼻詰まり症状がなかなか治らず、病院へ行くと鼻腔(びくう)ガンだと判明した――。
突然ガン患者となり、治療を経てガンサバイバーとなったやよいかめさんが、闘病生活や家族との触れ合いを丁寧に、そしてときにはコミカルに描いた漫画『鼻腔ガンになった話』が話題だ。今回は書籍では描かれなかった入院中のエピソードをやよいかめさんのインタビューとともにご紹介。病院で福島の方言が聞こえてきて、関西出身のやよいかめさんが感じたこととは?
方言を通じて、その土地になじめたような気持ちに
――旦那さんが転勤族で、いろいろな土地に住んできたやよいかめさん。その土地の方言に慣れるまでは大変では?
語尾が変わる系の方言(〜やけん、〜だら)なら、同じ日本語なので意味もわかる場合が多いです。でも単語がまるっと違うとわからなくて、焦ってしまいます。私がわかっていないのを察して、相手の方は意味を教えてくれるのですが、その優しさと言葉ひとつ分、その土地になじめたような気がしてうれしくなります。
――入院していた福島の方言はどうでしたか?
同じ病室のおばあちゃんに話しかけられたときは、意味を推測しながらかなり集中して話をしました。おばあちゃんの方言が強かったのと、私は当時、福島に来てまだ1カ月も経っていないころだったので、福島弁のリズム自体に慣れていなかったんです。ちゃんとヒアリングできているか、内心とても心配でした。
――今回は看護師の方の方言がテーマでした。
看護師さんたちがなぜ方言で話しかけているのかを想像してみると、「患者さんをリラックスさせたい」「怖がらせたくない」という気遣いからではないかと思うんです。でもSNSでこのエピソードを投稿したら「うちの病院はクレームがあったため方言禁止です」という看護師さんのコメントがあって驚きました。でも、看護師さんと患者さんが方言で仲良く話しているのを聞いていると、仲間同士の言葉という感じがして、うらやましく感じました。
家族や周囲に支えられながらポジティブさを失わず闘病生活を乗り切っていく様子を描いたやよいかめさんの作品。2人に1人がガンになるといわれる今、その実体験は多くの人の参考になるに違いない。
■やよいかめ
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